色調 しきちょう

Tone

色調(tone、color tone)とは、一般的に明度と彩度との関係による色の調子の違いをいいます。

すべての色には、明るい・暗い、濃い・淡い、強い・弱いなどの調子があります。明るい色調を明調(明色)、暗い色調を暗調(暗色)、その中間の色調を中明調(中明色)といいます。また有彩色のそれぞれの色相において、もっとも彩度の高い色は純色と呼ばれ、これに黒または白を混ぜた色は清色、灰色を混ぜた色は濁色と呼ばれます。

色調の違いは彩度と明度の関係に影響を受けるため、この関係が同じであれば、異なる色相であっても色調は同じになると考えられます。

PCCS(日本色研配色体系)では色調(トーン)による色の分類法を設定しています。そこでは、各色相はビビッド、ソフト、ペールなど、鮮やかさの印象によって12の色調群に分けられています。ビビッド・トーンは純色に近い色のグループで、この明度を上げていくと淡く明るい調子のペール・トーンに、明度を下げていくと濃く暗い調子のダークグレイッシュになります。

※掲載している図版は色彩の関係を示した概念図であり、各色彩を厳密に再現したものではありません。また、閲覧環境により色彩が異なって見える場合があります。

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参考文献
・「造形基礎」長沢秀行/監修 小野皓一 樺山祐和 桑原盛行 山本明比古 若林直樹/著 武蔵野美術大学出版局 2002年
・「色彩用語事典」日本色彩学会/編 東京大学出版会 2003年
・「色彩学概説」千々岩英彰/著 東京大学出版会 2001年
・「色彩の基礎 芸術と科学」川添泰宏/著 美術出版社 1996年
・「デジタル色彩マニュアル」財団法人日本色彩研究所/編 クレオ 2004年

参考ウェブサイト
「2002-2006年 造形ファイル」 武蔵野美術大学
財団法人日本色彩研究所

監修
白石学 デザイン情報学科専任講師

作成日・改訂
2009年03月17日作成