量子化 りょうしか

Quantization

画像や音声などのアナログ情報をデジタル情報に変換する処理をアナログ-デジタル(A-D)変換といいます。

A-D変換は、標本化と量子化という2つのプロセスで行われます。 量子化(quantization)とは、標本化のプロセスで計測されたアナログ値を、離散的なデジタル値(0と1で表現できるような値)に変換するプロセスです。量子化の精度を決める値のことを量子化ビット数といいます。

画像の場合、標本化のプロセスでアナログ画像を計測する精度(1つのピクセルに置き換える範囲)を決め、色の値を計測したとしても、次にその計測値をデジタル値として表現しなければなりません。その際に量子化ビット数を決めることは、1つのピクセルが表現できる色数(色深度)を決めることになります。量子化ビット数を増やすほど、つまりピクセルが表現できる色数が多いほど、アナログ画像を忠実に再現できます。(その分、データサイズが大きくなります。) 1つのピクセルの量子化ビット数を1bitとすれば、そのピクセルは2色を表現することができますし、2bitとすれば4色を表現することができます。例えば一般的にデジタル画像でフルカラーといわれる場合には、光の3原色RGBそれぞれに8bit(1Byte)を割り当てます。それは1つのピクセルの量子化ビット数が24bit(3Byte)になる24bitカラー画像であり、その場合、1つのピクセルは約1677万色を表現することができます。

音声の場合、標本化のプロセスで音波を計測する1秒間当りの回数を決め、値を計測するわけですが、計測された値をどの程度の量子化ビット数で表現するかを決め、デジタル値とするのが量子化のプロセスです。音楽CDでは16bitという量子化ビット数が用いられますが、これは標本化で計測した値を、65536段階の離散値で表現しているということです

以上のように、アナログ情報をデジタル情報とする場合、画像と音声は同じプロセスを経てデジタル情報に変換されていると捉えるのが良いでしょう。

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参考文献
・「教養のコンピュータサイエンス―情報科学入門― 第2版」岡部洋一・坂内正夫・小舘香椎子/監 小舘香椎子・上川井良太郎・中村克彦/著 丸善 2001年
・「マルチメディア」佐藤淳一/著 武蔵野美術大学出版局 2002年
・「ディジタル・サウンド処理入門」青木直史/著 CQ出版 2006年

監修
井上智史 通信教育課程デザイン情報学科非常勤講師

作成日・改訂
2008年11月25日作成

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  • 画像の標本化と量子化の概念
  • 音声の標本化と量子化の概念

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