フラッシュメモリ ふらっしゅめもり

Flash Memory

フラッシュメモリは半導体記録方式の記録メディア(記録媒体)のうち、電源を供給しなくても素子自体の特性によって情報を保持することができる不揮発性メモリの一種であるEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)をベースにエラー訂正や欠陥管理を行なうコントローラチップを加え、コンパクトフラッシュ、(mini,microを含む)SDメモリーカード、USBメモリなどとして提供される製品群の総称です。

過去には多くの品種が乱立していましたが、現状ではデファクトスタンダードを獲得した前述のような製品が流通しています。これらは大容量化、高速化といった特徴や汎用インタフェースを備えるというメリットを生かしてデジタルカメラや携帯電話向けの記録メディアとして普及しています。また、PCの二次記憶装置として搭載されるSSD(Solid State Drive)もこの範疇として捉えることができます。コンパクトフラッシュはPCMCIA規格の16bitPCカード互換のパラレルATAインタフェースを持ち、PCに専用の拡張スロットが無くとも簡単なアダプタを利用すれば、PCカードスロットにリムーバブルディスクとして、ATA接続では固定ディスクとして、或いはUSBアダプタを介せばUSBメモリとして利用することもできます。それ以外のメディアではシリアルインタフェースが主流ですが、メモリースティックPRO以降では高速化のためパラレルインタフェースに回帰する傾向も見られます。

各メディアは機器の電源を切ることなく着脱可能な活線挿抜(ホットスワップ)に対応していますが、着脱は非アクセス時に限られます。一部の記録メディアで試みられている「○倍速」のような表記は、光記録メディアやその駆動装置における速度表記と同様に、音楽CD再生時のデータ転送速度150KB毎秒(1.2Mb毎秒)を1とした倍率を指すようですが、現状ではこのような表記が規格化されている訳ではありません。USBメモリは、対応するPCでは追加のデバイスドライバを必要とせずにUSB Mass Storage Classの補助記憶装置として認識されるので、フロッピーディスク、光磁気(MO)ディスク、CD-ROMなどにおいて長年の懸案だったMacとWindowsでの互換性が確保されましたが、ファイルレベルでは、リソ-スフォークの存在や拡張子などの命名規則の制限、アプリケーションレベルでは行末コードの違いに代表されるデータの互換性などに留意する必要があります。

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参考文献
・「フラッシュ・メモリ・カードの徹底研究」インターフェース編集部/編 CQ出版社 2006年

参考ウェブサイト
PCMCIA 
サンディスク株式会社
レキサーメディア

監修
堀越洋一郎 通信教育課程デザイン情報学科教授

作成日・改訂
2008年04月18日作成