ビットマップデータ・ラスターデータ びっとまっぷでーた・らすたーでーた

Bitmap Data & Raster Data

ビットマップデータ及びラスターデータは、画像を画素の集合として表現するデータ形式です。

デジタルカメラで撮影したりスキャナで取り込んだ場合、画像はデジタル化されます。アナログ量のデジタル化(デジタイズ)には標本化と量子化が必要ですが、標本化は画像を碁盤の目状の画素に分割することをいい、量子化は画素の濃淡や色調を離散的な値にすることをいいます。この時、標本化の程度を加減することで解像度を決定し、画素あたりの情報量(色深度)を加減することで白黒からフルカラーの画像を取り扱うことができます。デジタイズによって得られる画像の理論的なデータ量は、画像の縦画素数と横画素数と色深度の積を8で割った値(単位はバイト)となるので、解像度或いは色深度を大きくするとデータ量は増大し、小さくするとデータ量は減少します。

ラスターデータとは、走査型の入出力デバイスなどで、ビットマップデータの画素横一列を単位として取り扱う状況を明確にする場合に用いられる呼称です。

画像データの解像度とは1インチ(25.4mm)を何画素で標本化するかをいい、単位はドットパーインチ(dpi)が用いられます。一般的に、印刷では350dpi程度、Webでは通信量を抑えるため72dpi程度の画像が用いられます。

画像データをメディアに記録する際には多様なファイル形式が選択できますが、TIFFやBMPのような非圧縮(或いは可逆圧縮オプション付き)ファイル形式と、JPEGに代表される非可逆圧縮を前提としたファイル形式を、用途や目的によって使い分ける必要があります。いずれのファイル形式であっても、ペイント系と呼ばれる画像ツール(例:アドビシステムズ社のPhotoshopやフリーソフトのGimpなど)で取り扱うことができますが、編集や加工によって劣化した画質は回復する術が無いので、取り扱いには細心の注意が必要です。

尚、ファイルサイズは、ヘッダセクションやカラーパレットのサイズ、或いはパディングデータ量によって変動するので、非圧縮の時でも理論値と異なる場合があります。

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参考文献
・「マルチメディア」佐藤淳一/著 武蔵野美術大学出版局 2003年
・「ディジタルイメージクリエーション デザイン編CG」デジタルイメージクリエイション編集委員会/編 CG-ARTS協会 2001年
・「コンピュータグラフィックス」コンピュータグラフィックス編集委員会/編 CG-ARTS協会 2004年
・「デジタル映像制作ガイドブック」デジタル映像制作ガイドブックプロジェクト/著 株式会社ワークスコーポレーション 2004年
・「DTP&印刷しくみ事典」ワークスコーポレーション エデュケーション編集部/編 株式会社ワークスコーポレーション 2005年

参考ウェブサイト
アドビシステムズ
「Gimp」フリーソフトウェア

監修
堀越洋一郎 通信教育課程デザイン情報学科教授

作成日・改訂
2008年01月21日作成