ドット どっと

Dot

コンピュータの画像や入出力機器に関係してドットという言葉が使われる場合には、それらの精細度を決める最小要素を指す概念がドットだと捉えると良いでしょう。

例えばdpi(dots per inch)という単位は、ビットマップデータの画像解像度にも、プリンタの出力解像度にも用いられる単位であり、1インチの中に収まるドットの数を示します。
ビットマップデータの最小要素はピクセル(画素)ですので、同じ意味でドットという言葉が使われる場面も見受けられ(正確にはピクセルと言ったほうが良いですが)、その場合には1ピクセル=1ドットです。その際に画像解像度が、1インチの中に収まるピクセルの数を示すppi(pixels per inch)で表されても、dpiで表されても両者は等しくなります。つまり「画像データの解像度を350dpiにして下さい」と言われた場合には、1インチを350個のピクセルで構成するような(350ppiの)画像データを作成すれば良いことになります。
一方、プリンタの出力解像度もdpiという単位で示されます。例えばインクジェットプリンタは小さな点、インクの滴の疎密として文字や画像を描画します。その場合は、インクの滴が取りうる最小の大きさ(インクの滴を配置できる最小の範囲)としてドットを捉えると良いでしょう。つまり「2400dpiの出力解像度のインクジェットプリンタ」と言った場合には、1インチの中に2400個のインクの滴を配置できる精細度を持つインクジェットプリンタという意味になります(従って350dpiのビットマップデータを2400dpiのインクジェットプリンタから出力した場合、画像の1ピクセルとプリンタの1ドットは等しくなりません)。

液晶などのディスプレイにおいても、物理的にディスプレイを構成する最小要素と、表示される画面情報の最小要素という2つ意味で、ドットという言葉が使われることがあるので注意が必要です。

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参考文献
・「カラー図解 DTP&印刷スーパーしくみ事典 2009年度版」ワークスコーポレーション 2009年
・「DTP&印刷の標準知識」Professional DTP 編集部/編 工学社 2005年

監修
井上智史 通信教育課程デザイン情報学科非常勤講師

作成日・改訂
2009年05月06日作成

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  • プリンタの出力解像度は、プリンタが出力する最小の要素をどれだけ細かく配置できるかを示す値である。
インクジェットプリンタは、インク滴(ドット)の疎密で文字や画像を印刷する。
プリントアウトをルーペで見ると、ドットを見ることができる。
上図はインクジェットプリンタで印刷した画像を接写したもの。
1つのピクセルが複数の色のドットで描かれている様が見てとれる。プリンタの出力解像度は、プリンタが出力する最小の要素をどれだけ細かく配置できるかを示す値である。 インクジェットプリンタは、インク滴(ドット)の疎密で文字や画像を印刷する。 プリントアウトをルーペで見ると、ドットを見ることができる。 上図はインクジェットプリンタで印刷した画像を接写したもの。 1つのピクセルが複数の色のドットで描かれている様が見てとれる。
  • モニタの表示解像度は、縦横のドット(ピクセル)数で示され、変更することが可能である(例:800×600や1024×768)。
対してモニタの物理的なドット数(RGBのドット数)はモニタによって決まっている。
モニタをルーペで見ると、RGBのドットを見ることができる。
上図はモニタ上に画像データを拡大表示し接写したもの。
1つのピクセルが複数のRGBのドットで描かれている様が見てとれる。モニタの表示解像度は、縦横のドット(ピクセル)数で示され、変更することが可能である(例:800×600や1024×768)。 対してモニタの物理的なドット数(RGBのドット数)はモニタによって決まっている。 モニタをルーペで見ると、RGBのドットを見ることができる。 上図はモニタ上に画像データを拡大表示し接写したもの。 1つのピクセルが複数のRGBのドットで描かれている様が見てとれる。

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