銅板 どうばん

Copper Plate

銅板は、銅版画(凹版画)の版材として使用される圧延された銅の板です。

凹版画の版材として古くは鉄板が使用されていましたが、デューラーが活躍した1400年代後半ごろから銅板が版材として用いられるようになりました。
現在では、稀に亜鉛板を版材として用いる場合もありますが、シャープな刻線の現れる銅板が汎用されています。0.8mmは技法的にも経済的にも使いやすい厚さです。通常、銅版画に使用する場合には、0.6mm~1.2mmの厚さの銅板を使用します。深く腐食をする場合や一版多色法、メゾチントなどをする場合には厚めの銅板(1.0mm以上)を用いた方が良いでしょう。
銅板の入手は、画材店などで裁断されたものを購入する、または金属店などで規格サイズを購入し裁断して使用する、このふたつがあります。規格サイズとして365mm×1200mmの定尺板と呼ばれるものと、455mm×1200mm、1000mm×2000mmの3種類が流通しています。自分で銅板を裁断する場合には、足踏み式の裁断機(シャーリング)を使用して切るか、銅板切り(ひっかき)と呼ばれる金属製の工具を用いて裁断します。銅板切りを使用する場合には、銅板の上に金属製の定規を寸法に合わせて載せ、これに添って銅板切りを手前に強く引いて切り込みを入れます。この作業を繰り返し、銅板の裏面に隆起がわかるようになったら切り取る銅板の一方を固定し、切り込みを数回折り曲げて切り取ります。

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参考文献
・「版画事典」室伏哲郎/著 東京書籍 1985年
・「版画」武蔵野美術大学油絵学科版画研究室/編 武蔵野美術大学出版局 2002年
・「銅版画のテクニック」深沢幸雄/著 ダヴィッド社 1966年
・「銅版画のマチエール」駒井哲郎/著 美術出版社 1976年

監修
今井庸介 通信教育課程油絵学科非常勤講師

作成日・改訂
2008年06月06日作成