色彩遠近法 しきさいえんきんほう

Color Perspective

分類

色彩遠近法は、色の持つ心理的な作用や視覚的な効果を利用した空間表現法です。色彩は主に暖色と寒色に分けられ、暖色系の赤や黄などは、前方に迫り出してくるような圧迫感を与えます。一方、寒色系の青などは、後方に向かって吸収されていくように感じます。こういった色彩が人間に与える視覚・心理的特質を利用し、それぞれの色彩を変化や対比させることで、遠い近いなどの空間を表現する方法です。
一般的な具体例として、深緑の山々がそびえるような風景をこの方法で描く場合、手前の山は暖か味のある黄色味などを含んだ緑色で描き、遠方の山々を描くに連れて徐々に暖色系の色は薄れ、寒色系の青味をおびた色彩で描くことで、山々が奥へ連なっていくような遠近表現をすることができます。ちなみにこの方法は、空気遠近法の一部も担っています。

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関連科目

参考文献
・「絵画 アートとは何か」武蔵野美術大学出版局
・「絵画の教科書」 日本文教出版
・「日本美術用語辞典」 東京美術
・「オックスフォード西洋美術辞典」講談社
・「初めて学ぶ遠近法」 エルテ出版
・「透視図の基本」美術出版
・「遠近法の技法」同朋社出版
・「アートテクニック大百科」美術出版

監修
堀内貞明 通信教育課程油絵学科教授
島眞一  通信教育課程油絵学科教授

作成日・改訂
2007年06月14日作成