版面 はんめん

Hanmen

版面(はんめん、はんづら)とは、本来は印刷物において印刷がほどこされる範囲全体をいいますが、現在ではおもに書籍や雑誌などの紙面で、本文など内容部分が印刷される範囲をいいます。この場合、ノンブルや柱といった副次的な要素は版面の周囲の余白に配置されます。

版面の大きさは、文字を主とした内容の場合、文字の大きさ、1行あたりの字数、字間、1ページあたりの行数、行間をもとにして決定されます。逆にパソコンのワープロソフトやDTPソフトでは、用紙に対する余白の大きさを設定するかたちで版面が先に決定され、字数や行数は自動的に処理されるのが一般的です。 版面をどのように設計するかは、読みやすく美しい印刷物を制作するうえできわめて重要な点であり、そのため、適切な版面のあり方についても、多くの考え方が示されています。
とりわけ欧文の書籍については、ウィリアム・モリスによるものをはじめ、さまざまな説が歴史的に蓄積されています。 一般的に書籍では、地(下部)の余白が広いと視覚的に安定感があり、また見開きにした場合に中央のノド(綴じられた側)の余白は一体にとらえられることから、紙面上の版面は天とノドに寄せて配置するのが良いとされますが、書籍の性質や用途、デザイン上の意図によるところが大きく、決定的な規範はありません。

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参考文献
・「出版編輯事典 上巻」清光館書房 1934年
・「印刷事典」日本印刷学会/編 大蔵省印刷局 1958年
・「出版事典」出版ニュース社 1971年
・「出版編集技術 上・下巻」日本エディタースクール出版部 1978年-80年
・「増補・編集印刷デザイン用語辞典」関善造/著 誠文堂新光社 1980年
・「日本書誌学用語辞典」川瀬一馬/著 雄松堂書店 1982年
・「標準 編集必携」日本エディタースクール出版部 1987年
・「出版社の日常用語集 改訂版」日本書籍出版協会 1988年
・「編集ハンドブック 第6版」デザイン編集室/編 ダヴィッド社 1997年
・”The Designer’s Lexicon”Chronicle Books‚ SanFrancisco‚2000
“Dictionary of Publishing and Printing” third edition‚ A&C Black‚Lond

監修
金子伸二 通信教育課程芸術文化学科准教授

作成日・改訂
2007年07月17日作成