減法混色 げんぽうこんしょく

Subtractive Mixture

減法混色(subtractive mixture、subtractive color mixture)とは、物体色の混色によって明度の減少する現象をいいます。

色には光そのものの色(光源色)と、光が物体に当たって反射・吸収・透過した際に生じる色(物体色)があります。物体色はそれ自体が発光しない物体の色を指し、色の三原色といわれるシアン(Cyan)・マゼンダ(Magenta)・イエロー(Yellow)の三原色の混合比によってあらわすことができます。
絵具やインキ、フィルターなどの物体色は光を吸収する性質を持ち、そのため透過率が下がり暗い色になります。等量に混ぜ合わせると黒(無彩色)になります。
また赤紫(マゼンタ)と黄が重なり合うと赤に見えるように、色相も変化します。
カラープリントなど印刷では、三原色で黒を完全に再現することができないため、CMYに黒(K)を合わせた四色(CMYK)を用いて、すべての色を再現します。

減法混色の反対で、明度の増す混色は加法混色といいます。

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参考文献
・「色彩用語辞典」日本色彩学会/編 東京大学出版会 2003年
・「色彩学概説」千々岩英彰/著 東京大学出版会 2001年
・「岩波 西洋美術用語辞典」益田朋幸・喜多崎親/編著 岩波書店 2005年

参考ウェブサイト
「2002-2006年 造形ファイル」 武蔵野美術大学
日本色研事業株式会社

監修
白石学 デザイン情報学科専任講師

作成日・改訂
2007年10月12日作成