ビュラン びゅらん

Burin

ビュランは銅版や木口木版で、版面を彫刻し描画する木製の柄が付いた鋼鉄製の彫刻刀です。

ビュランの刃の先端は45度に切断され、もう一方には木製の握りがついています。ビュランは主にアメリカ製とスイス製の物があり、アメリカ製は握りのつけ根で刀が30度ほどの角度で曲げられており、スイス製は刀と握りの部分が真っ直ぐにつくられています。
刃の断面形状には正方形や菱形のものなど様々な形があります。正方形のビュランは曲線や太い線を描画する際に、菱形のものは細い線を描画する際に適しておりよく使われます。断面の鋭い印刀型や一度に複数の線が引ける連発型は木口木版に使われています。

ビュランを使用して直接銅版を彫り、線を描画する方法をエングレーヴィングと呼びます。この技法はさまざまな銅版画技法の中でも最も古くからある技法で、1430年頃に金属細工法として発達し、印刷技法として定着しました。ビュランを使用した描画には非常に熟練した技術を必要とするため、銅版画家の力量を評価する一つの値にもなったようです。ビュランの使用法は手のひらに木製の握りをおさめて、刃を水平に近い角度に保ち、版面を彫り進めます。曲線を彫る場合には、手を進行方向に曲げて描画するのではなく、進行方向に版を回して曲線を彫ります。またビュランで描画した跡には線の両側にめくれが出来るため著しい場合は、スクレーパーで削り取り、バニッシャーで磨きます。

木口木版においてもエングレーヴィング同様にビュランを持って、版面を彫り進めます。曲線を彫る場合にも、同じように版を回すように彫り進めましょう。革の中に砂の入ったクッサンと呼ばれる道具は下敷きとして、版の回転を容易にするために用います。また、連発ビュランを用いる場合には、刃の並びが中目から荒目のものを使用するとよいでしょう。

ビュランは版画材料を取り扱っている画材店などで購入することが出来ます。

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参考文献
・「版画」武蔵野美術大学油絵学科版画研究室/編 武蔵野美術大学出版局 2002年
・「版画事典」室伏哲郎/著 東京書籍 1985年
・「版画 進化する技法と表現」佐川美智子/監 岡部万穂/編 文遊社 2007年
・「銅版画のテクニック」 深澤幸雄/著 ダヴィッド社 1966年

監修
今井庸介 通信教育課程油絵学科非常勤講師

作成日・改訂
2009年06月20日作成

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  • 刃先の形状と拡大写真刃先の形状と拡大写真
  • アメリカ製ビュランアメリカ製ビュラン
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  • ビュランの持ち方ビュランの持ち方

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