DVD でぃーぶいでぃー
DVD
DVD(Digital Versatile Disc)は、DVD-Videoとして知られているように長時間の動画を記録することが可能な光記録メディアです。
媒体組成とジオメトリ、情報の記録・読み取りの方法はおおむねCDと同じですが、記録密度を高めることによって片面1層記録で4.7GB、片面2層(DL:Dual Layer)記録では8.5GB、両面(各1層)記録で9.4GBという大きな記録容量を確保しています。当然のことですがDVDの駆動装置ではCDも取り扱えるようになっています。DVD-VideoはMPEG2方式で圧縮された映像データと、主に5.1チャンネルのドルビーAC-3デジタル音声データなどの収録が可能ですが、その他にも、記録内容の暗号化、メニュー画面による分岐や操作禁止などの制御、マルチストーリー、マルチアングル、多言語音声、多言語サブタイトル、(流通地域を限定するための)リージョンコード、ペアレンタルコントロールなどの機能を有し、ランダムアクセス特性を生かしてチャプター(コンテンツの区切り)順をシャッフルした再生も可能です。暗号化、リージョンコード、ペアレンタルコントロール機能の採否についてはコンテンツ制作側の裁量事項なのでユーザーが変更することはできません。特にリージョンコードは記録メディアの読み取りからコンテンツの再生に関わる全ての要素に設定されます。パソコンを例にとると、DVD-Video・駆動装置(ドライブ)・DVD再生アプリケーション(場合によってはOSも)の各々に設定されたリージョンコードが一致しなければコンテンツを再生することができない仕組みになっています。新規に購入したパソコンでDVD-Videoを最初に視聴する際「リージョンを選択してください」というようなダイアログが表示されるのはこのためですが、一旦設定すると駆動装置における”残り変更回数”は5回(駆動装置の世代によってはOS側で残り1回に制限)となるので注意深く選択する必要があります。この残回数はOSを再インストールしても回復させることはできせん。
DVDには動画記録のDVD-Video以外にも用途や目的に応じて、音声を記録するDVD-Audio、プログラムやデータを記録するDVD-ROMといった規格があります。DVDには前述の読み取り専用以外に、追記型のDVD-R, DVD+Rや書換型のDVD-RW, DVD+RW, DVD-RAMといったバリエーションがあるので、詳細については各々の媒体名の項目を参照してください。尚、DVDの「○倍速」表記は片面1層を1時間で再生する速度を1としたものです。
関連科目
参考文献
・「図解DVD読本」徳丸春樹 横川文彦 入江満第/共著 オーム社 2003年
・「新DVDの基礎知識」第一I/O編集部/編 (株)工学社 2003年
・「長期保存のための光ディスク媒体の開発に関するフィージビリティスタディ」財団法人機械システム振興 協会/作成 財団法人デジタルコンテンツ協会/委託先 2006年
参考ウェブサイト
・OSTA
・ECMA
・CDs21ソリューションズ
・DVDフォーラム
・DVDアライアンス
・日本規格協会
・JEITA規格リスト
・SMPTE規格リスト
監修
堀越洋一郎 通信教育課程デザイン情報学科教授
作成日・改訂
2008年02月21日作成