三角スケール さんかくすけーる
Triangular Scale
三角スケールは、細長い三角柱の形をした定規で、各面の両側の辺に2種類ずつ、計6種類の異なった縮尺率の目盛が付いており、設計図や地図など縮尺図面の読み取りや作成に使用します。略して「サンスケ」と呼ばれることもあります。材質は、竹を芯として表面に塗装をしたものや、合成樹脂、アルミなどがあり、長さは30cm、あるいは15cmが一般的です。なお、三角スケールは、「三角定規」とは形状も機能も異なるものです。
図面の多くは、現尺どおりにではなく、縮尺によって表されていますが、三角スケールを使うと、尺度変換の計算の必要なく寸法を読みとることができます。たとえば、1:50の図面を作成する場合、実寸が1.8m(1800mm)の線を図面上に描くとすると、普通のものさしでは、線を引く前に1800mmを50で割って36mmという縮尺後の数値を出す計算をしなければなりません。しかし、三角スケールを使用した場合は、1:50の縮尺率の目盛で1.8を指す箇所を見るだけで済みます。この縮尺率は目盛の左端に記されています。尺度をとり間違えると、大きな誤差が生じることになりますから、測定する前に数値をよく確認しましょう。このような間違いを防ぐために、3つの面の中心が色分けされている三角スケールもあります。
1本の三角スケールには、6種類の尺度が刻まれていますが、この尺度の組み合わせは、建築用、土地家屋調査用など、用途によって違っています。購入の際に確認しましょう。なお、三角スケールと同じ機能を持ち、携帯に便利な「五枚羽スケール」もあります。三角スケールは、寸法や縮尺を確認するための道具ですから、これを定規代わりに使用して線を引くことは避けましょう。製図用品を扱うお店や、画材店などで購入することができます。
関連項目
関連科目
参考文献
・「ドローイング・モデリング」横溝健志 小石新八/編 武蔵野美術大学出版局 2002年
・「だれにでもわかる製図用具の正しい使い方」工藤竹美/著 工業調査会 1980年
・「新版 DIY道具事典」ドゥーパ!編集部/編 学習研究社 2005年
・「道具の使い方のコツ4‐大図解はかる、固定する道具」ものづくり・道具愛好会/編 リブリオ出版 2005年
監修
田中克明 通信教育課程工芸工業デザイン学科教授
作成日・改訂
2008年12月25日作成