基準枠 きじゅんわく
Reference Frames
基準枠とは、書体の仮想ボディの内側に作られた枠のことで、この枠内に書体はデザインされています。
基準枠はそのスペースいっぱいに文字を作ればいいということではなく、それぞれの文字のプロポーションを考慮して、基準枠からやや小さめに設計したり、多少はみ出したりすることがあります。例えば「国」という文字と「今」という文字を同じように基準枠いっぱい接するように作ってしまうと、「国」の方が大きく見えてしまいます。同じ書体の中では全ての文字が同じ大きさに見えるように作るのが基本ですから、この場合「国」を若干基準枠より小さく設計する必要があります。同じ理由で、漢字の「体」などの「はらい」の部分だけを基準枠から少しはみ出させて設計し、見かけの大きさを揃えるといった調整も必要です。また、仮名は漢字よりも大きく見えてしまうため、普通は漢字よりも小さい基準枠で設計されます。
このように基準枠は、その書体の実際の見かけの大きさを決めるための基準となるもので、書体デザインの考えを反映する大きな要素になります。したがって、仮想ボディはJIS規格で統一されていますが、基準枠はメーカーや書体で多少異なります。
関連科目
参考文献
・「レタリング・タイポグラフィー」後藤吉郎 小宮山博史 山口信博/編 武蔵野美術大学出版局 2002
・「タイプフェイスデザイン探訪」今田欣一/著 欣喜堂 2000
・「日本語のデザイン」永原康史/著 美術出版社 2002
・「DTP WORLD 2007年11月号」ワークスコーポレーション
参考ウェブサイト
・大日本スクリーン製造株式会社
監修
横溝健志 通信教育課程工芸工業デザイン学科教授
作成日・改訂
2008年06月06日作成