フォント ふぉんと
Fonts
フォントとは、もともと同じ書体で同じ大きさの金属活字の一揃えのことを意味する言葉でした。一揃えというのは、例えば欧文ではアルファベットの26文字だけでなく、それぞれの大文字、小文字、ローマン体とイタリック体、数字や約物(ピリオドやカンマなどの句読点や括弧などの、記述記号を含む記号類のこと)などを含む1セットという意味です。
コンピュータによる文字組みが普及し、文字の大きさが自由に変えられるようになった今では「フォント」と言った場合、もともとあった同じ大きさという意味は薄まり、ほとんど「書体」という言葉と同義で使われるようになっています。また、DTPの作業の上で「フォント」と言った場合、ある書体のデータのことを指していることが一般的です。この場合金属活字とは区別する意味で、デジタルフォントと呼ぶ場合もあります。コンピュータ上で文字を表示したり、プリンタで文字を出力したりするためには、このデジタルフォントが必要になります。
デジタルフォントは、ビットマップフォントとアウトラインフォントの二つに大別されます。ビットマップフォントは文字の形を小さな点の集まりとして記録するもので、文字の大きさが大きくなると形が荒くなる欠点があります。今日では、レシートの印字など、文字の緻密さを要求しないところで使われています。アウトラインフォントは文字の形を数値のデータとして保存しているもので、拡大縮小による劣化がなく、印刷物の出力に使われるフォントです。(ただし出力機の性能には依存します。)フォントはコンピュータに標準的に搭載されているものもありますが、DTPなどで新しいフォントが必要になった場合や、微妙な書体の違い求められるデザインでは、メーカーから、別途フォントを購入しなくてはなりません。