インチ いんち

Inch

インチ(in)は、フィート(ft)やヤード(yd)と並んで、ヤード・ポンド法によって長さや距離を表すための単位です。(ポンドは重さを表します)
1ヤード=3フィート=36インチとなります。長さを表す国際単位である「メートル法」に照らし合わせると、1インチは25.4ミリメートル(mm)になります。

1インチの長さの由来は、足のつま先からかかとまでの長さを基準にした1フート(複数形がフィート)を12等分して「親指幅」と呼び、これをインチとしたという説や、大麦3粒を並べたサイズ、など諸説あるようです。

さて現在、世界で使われている長さの単位として一般的なものはメートル(m)です。これは国際的に単位を統一しようという試みから、1875年に締結した「メートル法」によって生まれた単位です。日本は1885年にメートル条約に加入して以降、段階を経て現在では、取引きや証明上の計量はメートル法に従って行うことになっています。しかし、アメリカなどでは現在もヤード・ポンド法が主流となっています。また、私たちの身の回りを見渡しても、自転車や自動車のタイヤサイズ、テレビモニターの画面サイズ、フロッピーディスクやCDなどのメディアのサイズ、靴のサイズなどはインチ表示がいまだに慣用的に使われています。さらに、スポーツの世界では、ゴルフやアメリカンフットボールは、ヤードで距離を示します。このように、ヤード・ポンド法による長さの表示に触れる機会は意外に多いといえるでしょう。

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参考文献
・「単位の事典」二村隆夫/監 丸善 2002年
・「単位171の新知識」星田直彦/著 講談社 2005年
・「度量衡の事典」阿部猛/著 同成社 2006年
・「単位の記号 雑学事典」白鳥敬/著 日本実業出版社 2001年
・「トコトンやさしい単位の本」山川正光/著 日刊工業新聞社 2002年
・「図解 建築用語辞典」図解建築用語辞典編集委員会/編 理工学社 2004年
・「建築学用語辞典」日本建築学会/編 岩波書店 1999年

監修
小石新八 通信教育課程工芸工業デザイン学科教授

作成日・改訂
2007年10月12日作成