PM パッド ぴーえむぱっど

PM Pads

PMパッドは、デザイン・レイアウト作業で多く使用される紙です。およそコピー用紙程度の厚さを持っています。PMパッドの名称は、パステル(Pastel)とマーカー(Marker)に由来しますが、パステルとマーカー以外の筆記具や描画材も広く使用できます。マーカーが滲(にじ)みにくいという特長から、プロダクトデザインにおけるレンダリングや、イラストレーションで使用される機会が多い用紙ですが、鉛筆の乗りもよく、スケッチなどにも使用できます。

かつてレンダリングでは、厚口のトレーシングペーパーやベラム紙などが多く使われていましたが、時折マーカーのインクをはじいたり、こすれて汚したりすることがありました。この点PMパッドは、マーカーをしっかり吸収し、早く乾くため、短時間での作業が可能になりました。また透過性も高く、重ね描きやグラデーションなどの多様な表現に対応でき、利便性が高く効率的なデザイン作業ができるようになりました。

PMパッドの用紙サイズは、A判・B判の寸法規格よりも少し大きく、余白部分を持てるようにできています。ですからコピー機で使用するには、寸法規格どおりにカットされている、コピー機用のPMパッド(PM COPY)を使用します。例えばプロダクトデザインでは、アイデア展開をする時、コピックなどのマーカーでアウトラインを描き、「PM COPY」でコピーをとり、これを基にアイデアスケッチをどんどん描きこんでいけば、短時間で多くのバリエーション展開ができます。なお、旧タイプのマーカーでは、コピーのトナーを溶かしてしまうことがありましたが、その欠点を改善したのが、アルコールを基材にした「コピック」です。コピックはコピーのトナーを溶かすことがなく、このコピックの開発によって、PMパッドの利用度はさらに高まりました。

PMパッドは、紙の一端を糊でつづった状態で販売されていて、紙色はホワイト(純白)とナチュラル(自然な白色)があります。用紙は、表と裏の質感が違っており、基本的に表側を使います。(購入時、表紙と同じ方向を向いているのが表です。)PMパッドは、画材店などで購入することができます。

※描画例(写真)は、用紙の特性や表現の可能性を示すためのテストサンプルであり、特定の描画材の使用を薦めているものではありません。(一般的には適していないとされる描画材もあえて使用しています。)

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参考文献
・「ドローイング・モデリング」横溝健志 小石新八/編 武蔵野美術大学出版局 2002

参考ウェブサイト
株式会社Too

監修
田中克明 通信教育課程工芸工業デザイン学科教授

作成日・改訂
2008年08月21日作成

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  • PM パッド(拡大写真)PM パッド(拡大写真)
  • マーカーでの重ね描きなどに適しています。マーカーでの重ね描きなどに適しています。
  • PM パッドにおける描画例

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