瞬間接着剤 しゅんかんせっちゃくざい
Instant Adhesives
瞬間接着剤は、シアノアクリレートを主成分とした、化学反応型接着剤です。接着面や空気中の微量な水分に反応して硬化することで接着します。特徴として、比較的早いスピードで強固な接着が可能な反面、衝撃に弱いので半永久的な目的には向きません。サラっとした液状の「一般用」のほか、垂直面の接着に液だれしにくい「ゼリー状」などがあり、液の状態や硬化のスピードによって用途が分かれます。購入前に商品パッケージで、接着できるものとできないもの、用途や特長を確認しておきましょう。
瞬間接着剤の使用中、接着面の周辺に白化現象(白く粉を吹いたような状況)が起きることがあります。こすって落とすことができますが、仕上げの手順などを考えながら接着作業を行うとよいでしょう。発泡ウレタンのような表面に凹凸のある材料でモデル制作する場合、表面の粉を水で洗い流し、水分が適度に残っている状態で「ゼリー状」を使用すると接着の作業が容易になります。なお接着後は、接着面が硬くなっているので、仕上げの加工法、手順の考慮が必要です。
瞬間接着剤の使用中に誤って指同士をくっつけてしまうことがありますが、その場合は、お湯の中でゆっくりもみほぐすか、別売りの専用はがし液を使用します。また接着剤が衣服につくと発熱する場合があるので注意が必要です。接着する対象のものが口に触れる可能性のあるものには使用を避けます。商品パッケージに記載されている取り扱い上の注意をよく読んでから使用しましょう。
瞬間接着剤の使用後は、キャップを十分締めて空気中の湿気に触れないよう保管します。保管用の容器とセットになって販売されているものもありますが、ない場合は、蓋付きの容器に乾燥剤を入れて保管するとよいでしょう。接着剤の先端に付けるノズルは注入口が細く、接着剤が硬化し詰まりやすく、取り替え用のノズルの別売りもあります。瞬間接着剤や先端ノズルは、ホームセンターや画材店などで購入できます。
関連科目
参考文献
・「接着の科学」竹本喜一 三刀基郷/著 講談社 1997年
・「立体大全 素材+道具+テクニック」デザインの現場編集部/編 美術出版社 1996年
・「NOMOKEN 野本憲一モデリング研究所」野本憲一/著 ホビージャパン 2003年
・「DIY素材百科」学習研究社 2004年
参考ウェブサイト
・コニシ株式会社ホームページ
・セメダイン株式会社ホームページ
監修
田中克明 通信教育課程工芸工業デザイン学科教授
作成日・改訂
2009年03月13日作成