ファブリアーノ ロサスピーナ ふぁぶりあーの ろさすぴーな
Fabriano Rosaspina
ファブリアーノ ロサスピーナは、ヨーロッパでも歴史ある製紙会社であるイタリアのファブリアーノ社(1283年に創業)が製造している版画用紙で、銅版画やリトグラフ、スクリーンプリントなどに適しています。
ファブリアーノ ロサスピーナは表面の肌理が他の版画用紙よりも比較的細かく、原料に厳選されたコットン(60%)を使用している中性紙で、国際標準規格ISO9706に準拠した高い保存性を持っています。紙の色はホワイトとアイボリーの2種類で、厚さは坪量(1平方メートルあたりの紙一枚の重量)で220g、285gと適度な厚みがあり、サイズは1000×700mmでシート状のもののみです。(イタリアでは500×700mmやロール状のものもあります。)また、紙の2つの長辺には耳がついていて、それに沿うようにウォーターマーク(透かし)が施されています。
紙の裏表は、やや判別しにくく、わずかに滑らかな手触りの面が表側で、若干ザラつきのある面が裏側ですが、ウォーターマーク(透かし)の文字の向きでも確認できます。(「FABRIANO」が正しく読める向きが表側です。)
紙を裁断して使用する場合には、カッターで切断せずに直尺の定規を紙の裏にあてて、手で定規に沿って疑似耳ができるように切り取るのが良いでしょう。
ファブリアーノ ロサスピーナは画材店などで購入できます。
※描画例(写真)は、用紙の特性や表現の可能性を示すためのテストサンプルであり、特定の描画材の使用を薦めているものではありません。(一般的には適していないとされる描画材もあえて使用しています。)
関連科目
参考文献
・「版画」武蔵野美術大学版画研究室/編 武蔵野美術大学出版局 2002年
・「紙の大百科」美術出版社 2001年
参考ウェブサイト
・「2002-2006年 造形ファイル」 武蔵野美術大学
・ファブリアーノ社
監修
永井研治 通信教育課程油絵学科教授
作成日・改訂
2008年05月14日作成