BFKリーブ びーえふけーりーぶ
BFK Rives
BFKリーブは、主に版画のリトグラフや銅版画に適した、世界的に広く使用されている版画用紙です。また、木口木版を雁皮紙(がんぴし)に刷った場合の裏打ち用台紙として使用することもあります。
BFKリーブは、フランスのアルジョウィギンス社が版画用に開発した製品で、コットンパルプ(100%)を原料とした弱アルカリ性の紙です。表面の肌理は少々ザラつきがある程度の細目で、適度に厚みと柔軟性もあり、また、ソフトに効いているサイジング(にじみ止め)により、水分やインクが比較的吸い込みやすい状態になっています。サイズは小判、中判、大判、特大判、特々大判まであり、厚さも坪量(1平方メートルあたりの紙一枚の重量)で250g、270g、280g、300gと様々で、その種類は豊富です。紙の色は純白に近い白色のものが一般的ですが、グレー、タン(中判280gのみ)といった色も製造されています。ちなみに、紙の三辺には耳がついていて、下辺にはウォーターマーク(透かし)が入っています。「BFK RIVES」のウォーターマークが正しい向きで読み取れる面が紙の表側です。
紙を裁断して使用する場合には、カッターを用いません。まず、紙を裏返した後、直尺の定規を紙の裁断する部分にあて、定規に沿うように手で裁断します。こうすることで耳のような自然な裁断面(疑似耳)を得ることができます。
BFKリーブは版画材料を取り扱っている画材店などで購入することができます。
※描画例(写真)は、用紙の特性や表現の可能性を示すためのテストサンプルであり、特定の描画材の使用を薦めているものではありません。(一般的には適していないとされる描画材もあえて使用しています。
関連科目
参考文献
・「版画」武蔵野美術大学版画研究室/編 武蔵野美術大学出版局 2002年
・「紙の大百科」美術出版社 2001年
参考ウェブサイト
・「2002-2006年 造形ファイル」 武蔵野美術大学
・アルジョウィギンス社
・マルマン株式会社
・株式会社ミューズ
監修
永井研治 通信教育課程油絵学科教授
作成日・改訂
2008年05月14日作成