プリントクリーナーは、版画制作時における洗浄を主とした様々な場面で用いられる石油系の溶剤です。主な使用例としては、リトグラフの製版、描画材の溶き油、油性インクの清掃、銅版画でのグランド除去など利用方法は多様です。内容成分は、鉱油を蒸留し精製した石油系炭化水素で、微石油臭のする無色透明の可燃性液体です。
一般的な使用方法としては、版上に少量のプリントクリーナーを出し、ウエスを使いながら版に定着する描画材やインクを溶解しながら洗浄します。またリトグラフでは描画材（解き墨）の溶き油の代わりとして使用します。元来リトグラフの製版時や描画材の溶き油にはテレピンが用いられていましたが、比較的安価なためプリントクリーナーが用いられるようになりました。
使用上の注意として、プリントクリーナーは揮発性のある可燃性の液体のため、換気の良く、火の気のないところで使用・保管します。また、溶剤は自然界では浄化できないものなので、使用後はそのまま水道の排水口に流さないようにします。
プリントクリーナーの代用品としては、ホワイトガソリンや灯油等を用いることが可能です。最近では清掃時の代用に限りますが、安全や環境に配慮をした植物油ベースの溶剤が販売されています。植物由来成分のため人体への影響が少なく、水と乳化させて汚れを落とすため、環境への影響も少ないものとなっています。
入手先としては、主に専門の版画用品を取り扱う画材店などで購入できます。