PSD ぴーえすでぃー
PSD
PSDとはビットマップデータのファイルフォーマットの一つで、画像編集ソフトウェアAdobe Photoshopネイティブのファイルフォーマットです。拡張子は.psdです。Photoshop形式と呼ばれることもあります。
Adobe Photoshopは多機能な画像処理ソフトウェアであり、PSDはレイヤーやチャンネルなどAdobe Photoshopの機能を保持したままで保存できます。従ってAdobe Photoshopで画像を編集する場合、編集中はファイルをPSDで保存しておきます。編集後、PSDファイルから、印刷用途であればTIFFやEPS、Web上で利用するのであればJPEGやPNG、GIFなど、適切なファイルフォーマットに変換・保存するのが一般的ですが、その場合、別のファイルフォーマットではレイヤーやチャンネルなどの情報が失われるので、PSDのファイルは残しておいた方が良いでしょう。これはどの画像編集ソフトウェアを利用する場合も同じであり、編集中は利用する画像処理ソフトウェアのネイティブな形式で編集をし、編集後もその形式のファイルを残しておくのが基本でしょう。
またAdobe InDesign、Adobe Illustrator、Adobe Flashなど、アドビシステムズ社のデザイン、マルチメディア制作に利用されるソフトウェアは多岐に渡りますが、各ソフトウェア間の連携が強化されており、他のソフトウェアネイティブのファイルでもその機能を維持したまま読み込むことが可能となってきています。PSDはそのような意味でも利用価値があるファイルフォーマットといえるでしょう。
ただし多くのレイヤーを使用した場合など、高機能ゆえにファイルサイズが大きくなるファイルフォーマットでもあるので、PSDのままAdobe InDesignやAdobe Illustratorに画像を多く配置したりなど、無意味に使用するのは考えものです。
関連科目
参考文献
・「Adobe Photoshop CS2 ユーザガイド」(Adobe Photoshop CS2付属ドキュメント)
・「カラー図解 DTP&印刷スーパーしくみ事典 2009年度版」ワークスコーポレーション 2009
監修
井上智史 通信教育課程デザイン情報学科非常勤講師
作成日・改訂
2009年03月13日作成
Adobe PhotoshopからPSDで保存する画面(上図)と、 そのオプションの画面(下図)。 PSDはアルファチャンネル、レイヤーなど、 Adobe Photoshopでの編集機能を維持したまま、 保存することができる。 PSDからそれ以外のファイルフォーマットを選択すると、 それらの機能が破棄されたり、複製が保存されることがある。 他のヴァージョンのAdobe Photoshopや、 他のアプリケーションでPSDファイルを開く場合は、 Photoshop形式オプションで互換性を優先に チェックを入れておく。
Adobe Photoshopには、レイヤーという機能があり、 画像やテキストなどの構成要素を個別に扱える。 PSDでは、画像レイヤーの他、 テキストをテキストのまま編集できるテキストレイヤーや、 レベル補正、カラーバランスなどの効果を持つ 調整レイヤーなどを維持したまま保存ができる。
Adobe Photoshopには、チャンネルという機能があり、 カラーモードの色情報(上図ではRGB)などを個別に扱える。 PSDでは、カラーチャンネルの他、 選択範囲の保存や作成に利用されるアルファチャンネルや、 その1種である、特定のレイヤーの表示領域を制御する レイヤーマスクなどを維持したまま保存ができる。