はしら

Headers and Footers

柱(はしら)とは、書籍や雑誌など冊子形式の印刷物の紙面において、内容が印刷される範囲[=版面]周囲の余白(マージン)に配置される、書名・章・節・内容の要点などを記した文字列をいいます。読者に目的の内容に該当するページを探しやすくすることを目的としたものなので、文芸書や雑誌など省略される場合もあります。また、辞書における欄外の見出しも柱の一種といえます。

柱の配置には、奇数ページと偶数ページとの両方に柱を配置する両柱と、片方のページ(主に奇数ページ)のみに柱を配置する片柱があります。
柱の内容は、一般に本文中の見出しの語句に準じ、両柱の場合は奇数ページにより狭い範囲の事項、偶数ページにより広い範囲の事項が充てられます(奇数ページが章ならば偶数ページが書名、奇数ページが節ならば偶数ページが章など)。片柱の場合は書名や章が充てられ、とくに雑誌では誌名のほか刊行年月や号数が記されることがあります。書名のように冊子全体に同じ内容の柱が記されることを通し柱(とおしばしら)といいますが、実用上の意味は薄いので、書籍ではあまり用いられなくなっています。これに対して、節などページによって異なる内容を記す柱をページ柱(ぺーじばしら)といいます。また、見出しを含むページでは、その見出しの柱を省略するやりかたがあります。
柱が配置される位置は、ページ上方や下方の余白に、ページの中央か小口に寄せて置かれるのが一般的ですが、本文が縦組の場合には小口側の余白に配置される場合もあります。また、柱の文字列はとくに字間を空けて配置される[=字割り]ことがあります。

パソコンで印刷物を制作する場合、ワープロソフトやDTPソフトでは本文の取り扱いと別に柱の文字列を設定することができます。ワープロソフトではヘッダー・フッターと呼ばれるページ上・下部余白の画面に、DTPソフトでは全ページに共通する要素を指定するマスターページと呼ばれる画面に柱を配置し、複数ページに表示するのが一般的です。
なお、和装本の場合、袋綴じの折り目に書名や巻数が記されることが多く、これを柱または版心(はんしん)、目(め)などといいます。

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関連科目

参考文献
・「出版編輯事典 上巻」清光館書房 1934年
・「印刷事典」日本印刷学会/編 大蔵省印刷局 1958年
・「出版事典」出版ニュース社 1971年
・「出版編集技術 上・下巻」日本エディタースクール出版部 1978年-80年
・「増補・編集印刷デザイン用語辞典」関善造/著 誠文堂新光社 1980年
・「日本書誌学用語辞典」川瀬一馬/著 雄松堂書店 1982年
・「標準 編集必携」日本エディタースクール出版部 1987年
・「出版社の日常用語集 改訂版」日本書籍出版協会 1988年
・「編集ハンドブック 第6版」デザイン編集室/編 ダヴィッド社 1997年
・”The Designer’s Lexicon”Chronicle Books‚ SanFrancisco‚2000
“Dictionary of Publishing and Printing” third edition‚ A&C Black‚Lond

監修
金子伸二 通信教育課程芸術文化学科准教授

作成日・改訂
2007年07月17日作成