色立体 いろりったい
Color Solid
色立体(color solid)とは、色を体系的に三次元空間の座標に配置し、相互の関係性をあらわしたものです。
色を正確に伝えるためには、規則的な色の表記方法が必要になります。この色の表示体系をカラー・オーダー・システム(表色系)といい、色相環や色立体によってあらわすことができます。代表的なカラー・オーダー・システムには、マンセル表色系、オストワルト表色系、PCCS(日本色研配色体系)があります。
マンセル表色系は、アメリカの画家で美術教師のアルバート・H・マンセルが1905年に創案したカラー・オーダー・システムです。100色相、明度は11段階、彩度は色相や明度によって再現できる範囲が異なります。マンセル表色系の色立体では、明度は垂直方向の軸、色相は明度の軸を中心とした環、彩度は明度の軸から色相環の外周までの距離によってあらわされます。この色立体を水平に切った断面は、等明度の色相環となります。
オストワルト表色系は、ドイツの化学者ウィルヘルム・オストワルトが1920年に創案したカラー・オーダー・システムです。色相環は24色相からなります。PCCS(日本色研配色体系)は、日本色彩研究所が1964年に発表したカラー・オーダー・システムで、色相環は24色相からなります。
※掲載している図版は色彩の関係を示した概念図であり、各色彩を厳密に再現したものではありません。また、閲覧環境により色彩が異なって見える場合があります。
参考文献
・「造形基礎」長沢秀行/監修 小野皓一 樺山祐和 桑原盛行 山本明比古 若林直樹/著 武蔵野美術大学出版局 2002年
・「色彩用語事典」日本色彩学会/編 東京大学出版会 2003年
・「色彩学概説」千々岩英彰/著 東京大学出版会 2001年
参考ウェブサイト
・「2002-2006年 造形ファイル」 武蔵野美術大学
・財団法人日本色彩研究所
監修
白石学 デザイン情報学科専任講師
作成日・改訂
2008年01月15日作成