可逆圧縮 かぎゃくあっしゅく
Lossless Compression
圧縮後のデータから圧縮前のデータが復元できる圧縮方法のことを可逆圧縮といいます。ロスレス圧縮ともいいます。
データを圧縮する際、テキストやプログラムのデータなどは、データサイズを小さくできても、データが欠落してしまっては意味がありません。従って、圧縮したデータから圧縮前のデータをきちんと元通りにすることができる可逆圧縮の方式でデータを圧縮します。
Webサイトからプログラムをダウンロードしたり複数のファイルをまとめる際に利用される、ZIPやLHAなどは代表的な可逆圧縮の方法を利用しています。ZIPやLHAを用いた圧縮ソフトは、複数のファイルをまとめるアーカイバの機能を持っていることが多く、複数のファイルを一つのファイルとして圧縮できます。圧縮されたデータを元に戻すことを伸長、展開、解凍などといいますが、圧縮前のデータと解凍後のデータは同じデータになります。
一方、画像や音声、映像のデータなどは、圧縮の際、見た目などにあまり影響がなければデータを削減することが可能であり、それにより高い圧縮率が実現されるので、非可逆圧縮が用いられることが多いのですが、画像や音声、映像のデータなどにも可逆圧縮が利用されることもあります。圧縮率の点では非可逆圧縮に劣りますが、品質を重視する場合や、編集することを想定した場合などに利用されます。
ネットワーク上での利用を前提に作られたPNGという画像形式には可逆圧縮の方式が用いられています。また音声、映像データに対しても色々な可逆圧縮の方式が考えられています。
関連科目
参考文献
・「図解入門 よくわかる最新データ圧縮技術の基本と仕組み」岡野原大輔・藤本健・小川秀明/著 秀和システム 2003年
・「教養のコンピュータサイエンス―情報科学入門― 第2版」岡部洋一・坂内正夫・小舘香椎子/監 小舘香椎子・上川井良太郎・中村克彦/著 丸善 2001年
・「マルチメディアデータ入門」常盤繁/著 コロナ社 2003年
・「LHAとZIP―圧縮アルゴリズム×プログラミング入門―」奥村晴彦/監 奥村晴彦・山崎敏/著 ソフトバンクパブリッシング 2003年
・「サウンドファイル徹底研究」御池鮎樹/著 工学社 2002年
監修
井上智史 通信教育課程デザイン情報学科非常勤講師
作成日・改訂
2008年11月07日作成