版画用のローラーは、リトグラフや銅版の一版多色法の刷り、木版の油性刷りの際に油性インクを版上に盛る時に使用します。
ローラーには、牛革を使用した革ローラーと合成ゴムのゴムローラーがあり、革ローラーは裏革と表革があります。裏革は製版用に、表革とゴムローラーは印刷用として使用します。ゴムローラーのゴムの硬さには種類があり、リトグラフ用には硬質なものが向き、銅版の一版多色法では、版にできた段差を利用するため、軟質、硬質の2種類を用います。ローラー使用時は回転をスムーズにするため、手革を心棒に差し込み使用します。しかし、ゴムローラーの場合は、手皮を使わず素手で使うこともあります。
手入れ方法は、その素材によって異なります。新品の革ローラーは、そのまま使わず、号外ワニスと00ワニスをインク台の上でよく練り混ぜてから、ローラーを転がし皮にワニスを染み込ませ、馴染んでから使用します。裏革ローラーは基本的には、そのままラップに包み保存しますが、時折、インクベラで皮をしごき、ローラーに付いたゴミや古いインクを取り除きます。表革とゴムローラーは使用後に必ず溶剤（表革は白ガソリン、ゴムはプリントクリーナーなど。シンナーは不可）で、インクを完全に拭取ります。使用しているうちに表面が硬化しツルツルになってくるとインクのつきが悪くなるため、研磨場で研磨をしてもらう必要があります。
入手先は、ローラー専門店や版画用品を扱う画材店で購入できます。