プレートマーク ぷれーとまーく

Plate Mark

プレートマークは銅版を印刷した際にできる銅版画作品独特のくぼみのことです。

印刷の際にプレス機のローラーに版がスムーズに入ること、強い圧力により版画用紙やフェルトが切れることを防ぐため、版の端(切断面)に傾斜を付けます。その傾斜はビゾーと言いますが、傾斜自体をプレートマークと呼ぶこともあります。製版前、金やすりで端から一定の幅を斜めに削ります(プレートマークの作成)。使用する銅板のサイズや厚さによっても異なりますが、幅2mm~3mm程度、傾斜30~45度程度にするとよいでしょう。作業の際には、銅版を万力やクランプまたはガムテープなどで固定して行います。傾斜をつけることができたら、角の尖った部分を丸く削っておきましょう。
一通り描画や腐蝕などの製版工程を終えたら、誤って腐蝕してしまった部分や描画で傷付いた部分を整えます。(プレートマークの修整)この時の作業では、再度金やすりで削り研磨しますが、完成画面に傷をつけないように気をつけて作業しましょう。金やすりで研磨した後は、ささくれ(バリ)やまくれができるためにスクレーパーで削り取ります。その後、数滴の機械油を指で伸ばしバニッシャーで丁寧に押し磨いてピカピカに仕上げます。
印刷の際、インクを詰め拭きあげた後にリグロインを含ませたウエスを用いて傾斜をつまむように拭き、余分なインクをきれいに取り除きます。この作業を行うことで、刷りあがった作品は、くっきりと白く美しいプレートマークを持った作品となります。

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参考文献
・「版画」武蔵野美術大学油絵学科版画研究室/編 武蔵野美術大学出版局 2002年
・「版画事典」室伏哲郎/著 東京書籍 1985年
・「銅版画のテクニック」 深澤幸雄/著 ダヴィッド社 1966年
・「銅版画のマチエール」 駒井哲郎/著 美術出版社 1992年

監修
今井庸介 通信教育課程油絵学科非常勤講師

作成日・改訂
2009年02月27日作成