フロッピーディスク ふろっぴーでぃすく
Floppy Disk
フロッピーディスク(Floppy Disk)は磁気記録方式の着脱可能な書換型の記録メディア(記録媒体)で、表裏に磁性体を塗布した円盤状の高分子シートをジャケットに封入した構造であることから、フレキシブルディスクと呼ばれることもあります。
1970年代にIBM3740データエントリシステムにおいて穿孔カードの代替として8インチ型のフロッピーディスク(IBMでの呼称はディスケット)が初めて採用されましたが、FATに代表されるファイル管理機構が採用されるのはディスクオペレーティングシステムで用いられるようになってからのことです。メディアサイズにより前述の8インチ型、その構造を引き継いで小型化された5(.25)インチ型、ジャケットをハードケース化し、メタルハブによるチャッキング構造、磁気ヘッドのアクセス部にシャッター機構を採用するなどして取り扱いを容易にした3.5インチ型などが規格化されています。過去には多種多様な記録フォーマットが存在していた経緯があり、異機種間のデータ交換には適しません。3.5インチ両面高密度型フロッピーディスクをWindows環境で初期化した場合の記録容量は1.44MBで、他の記録メディアと比較して極めて小容量かつ低速ですが、Mac以外のPCではフロッピーディスクからの起動が必ずサポートされていることから、旧世代のOSを起動することや緊急時の復旧に用いる修復ディスクとして、或いは新規にOSを導入する際の起動ディスクとして利用され続けていること等の利点があり、手放し難い存在となっています。
WindowsなどのGUIによってフロッピーディスクへのファイルコピーなどを行なう場合、操作が直ちに終了したかのような挙動を示すことがありますが、それはOSが提供する遅延書き込み機能の効果によるものであり、実際にはファイル操作が完了してドライブ(駆動装置)のアクセスランプが消灯するまでフロッピーディスクを取り出さないようにします。メディアのロック機構を持たないドライブが多いので取り扱いには注意が必要です。尚、初期化(フォーマット)済みと表記されていない製品は使用開始前に必ず初期化作業が必要です。プロテクトノッチが「書き込み可」の位置にあることを確認してからフロッピーディスクをドライブにセットし、OSの定めた各々の手順で初期化してください。