ハーネミューレ はーねみゅーれ
Hahnemühle
ハーネミューレは、ドイツの製紙会社であるハーネミューレ社(1584年創業)が製造している版画用紙で、主に銅版画などの凹版に適しています。
コットンパルプ(100%)を原料とした中性紙で、表面の紙肌や厚みが適度にあるものの、比較的平滑でしなやかさを持ち、プレス機への耐圧性、吸湿性にも優れ、さらに油性インクに対して相性がよいのが特徴です。紙の四辺には耳が付いていて、紙の上辺と下辺には、楯を持った雄鶏のマークと「Hahnemuhle」の文字がウォーターマーク(透かし)で入っています。(文字が正しい向きで読み取れる面が紙の表側です。)
ハーネミューレの主な種類としては、「ナチュラルホワイト」、「クリーム」、「ホワイト」などの複数の紙色があります。「ナチュラルホワイト」は、サイズが1060mm×780mm(特大判)で、厚さは坪量(1平方メートルあたりの紙1枚の重量)で150g(品番:HA5734)、230g(HA5760)、300g(HA5735,HA5761)と様々な種類があります。「クリーム(HA5737)」は、サイズが1060mm×780mm(特大判)で、厚さは300gの1種のみになり、「ホワイト(HA5745)」も、サイズが560mm×780mm(中判)で、厚さは300gのみになっています。
紙を裁断して使用する場合には、カッターを用いません。まず、紙を裏返した後、直尺の定規を紙の裁断する部分にあて、定規に沿うように手で裁断します。こうすることで耳のような自然な裁断面(疑似耳)を得ることができます。
ハーネミューレは版画材料を取り扱っている画材店などで購入することができます。
※描画例(写真)は、用紙の特性や表現の可能性を示すためのテストサンプルであり、特定の描画材の使用を薦めているものではありません。(一般的には適していないとされる描画材もあえて使用しています。)
関連科目
参考文献
・「版画」武蔵野美術大学版画研究室/編 武蔵野美術大学出版局 2002年
・「紙の大百科」美術出版社 2001年
参考ウェブサイト
・「2002-2006年 造形ファイル」 武蔵野美術大学
・ハーネミューレ社
監修
永井研治 通信教育課程油絵学科教授
作成日・改訂
2008年05月23日作成