トレーシングペーパー とれーしんぐぺーぱー
Tracing Paper
トレーシングペーパーは、紙の主原料となるパルプを非常に細かく叩解(こうかい)し加工することによってできる半透明の紙です。透写紙(とうしゃし)もしくは、略してトレペとも呼ばれます。
半透明性という特徴を活かし、図面や下絵の引き写しなどに便利で、絵画制作や製図、版下の作成などに用いられています。また、作品や印刷物などの表面保護材としても利用されることがあります。他にも、照明器具や立体造形作品の素材としてなど、その活用範囲は多岐に渡っています。ちなみに、トレーシングペーパーの裏表は見分けづらいのですが、若干滑らかな面が表側です。ただし、使用するにあたり大きな差はほとんどありません。
トレーシングペーパーの種類には、一般的なシート形状の他にロール状で大判のものや、紙の一端が糊でつづられたパッド形状のものがあり、厚さも、特厚口、厚口、中厚口、薄口など様々な種類があります。(メーカーにより表記が異なる場合があります。)また、Wトレーシングペーパーと呼ばれる高圧薄ポリエチレンをトレーシングペーパーで挟み込んだ丈夫で湿気に強いものや、カラーや方眼が付いたトレーシングペーパーなどもあります。
取り扱いの注意として、トレーシングペーパーは湿気に弱く、精密を要する図面などに誤差が生じてしまう恐れがあります。風通しのよい場所や除湿剤を利用するなどして保管しましょう。
トレーシングペーパーは画材店などで購入できます。
※描画例(写真)は、用紙の特性や表現の可能性を示すためのテストサンプルであり、特定の描画材の使用を薦めているものではありません。(一般的には適していないとされる描画材もあえて使用しています。)