スポンジ すぽんじ

Synthetic Sponge

スポンジは版画において、リトグラフの製版や印刷の際に使用する、植物繊維(セルロース)を原料とした道具です。

スポンジは版面に直接触れるために、柔らかいことが重要となります。また同時にスポンジの孔が大きく、たくさんの水分を含むことが求められます。
スポンジはリトグラフの工程において、版面に製版液を塗布する際や、アラビアゴムが付いた版の洗浄をする時、さらに印刷時に版の表面に水分を与える際など、様々な用途に使用します。そのため、使用する場合には、アラビアゴム液用、製版用、印刷用、エッチ液用など使用する用途の数だけスポンジを用意して使い分けるようにし、併用は避けるようにしましょう。スポンジを併用した場合、薬品が交合してしまうなどして、印刷時のトラブルや版が壊れてしまうなどの危険性があるためです。

スポンジの使用後は、水分をよく絞り風通しの良いところで乾燥させるようにして、保存の際にはカビが生えないように気をつける必要があります。スポンジは乾燥すると硬化するために、次に使用する場合には、十分に水分を含ませてから使用するようにしましょう。市販されているスポンジも乾燥した状態で販売しているものが多いため、使う際には水分を含ませてから使用するようにします。スポンジは消耗品のため、カスが出るなど劣化した場合には、新しいものに替えましょう。
スポンジは版画用品が置いてある画材店で購入することができます。

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参考文献
・「版画」武蔵野美術大学油絵学科版画研究室/編 武蔵野美術大学出版局 2002年

監修
永井研治 通信教育課程油絵学科教授

作成日・改訂
2008年06月20日作成