スプレー糊 すぷれーのり

Spray Adhesive

スプレー糊は、接着成分である合成ゴム(アクリル樹脂系ゴムなど)と、揮発性の有機溶剤(イソヘキサンやアセトン)の混合液を液化ガスや圧縮ガスによって霧状に噴射する、スプレータイプの接着剤です。紙や布、写真のような薄くて平らなものを全面接着したい時など、短時間で広い面積に均一に塗布することができます。揮発性溶剤を使用しているので、水溶性の糊のように水分で素材が縒(よ)れることなくきれいに貼り付けることができます。

スプレー糊には、用途に応じた様々な種類があります。仮止めなどに用いる接着力の弱いものから、超強力・高耐熱といったもの、さらには乾くと消える色付きの製品もあります。使用できる対象も紙だけに留まらず、布や木、金属、表面に凹凸のある素材にまで対応できるものもあります。

使用方法としては、まず、換気の良い場所にスプレーブースや段ボール箱を用意しましょう。囲って作業することで糊が対象物以外のものに付着することを防ぎます。噴霧の際はスプレー缶をよく振り、接着面に対して約20cm程度離し、ムラのないように均一にまんべんなく吹付けていきます。この際、缶を上下逆さにして噴射しないようにしましょう。噴霧した後、10秒程度おいてから貼り合わせていきます。もし、床や机などに糊が飛び散ってしまった場合は、専用のクリーナーで除去することができます。スプレー糊の使用後は、缶を上下逆さにして1秒程度空吹きすることで、噴射ボタン内に残った糊による目詰まりを防ぐことができます。(取替え用の噴射ボタンが付属している商品もあり、目詰まりした噴射ボタンだけを付け替えることができます。)

スプレー糊を使う際は、換気を十分に行うということと、長時間使用する時はマスクを着用しましょう。また、人体に糊が付着した場合はすぐにぬるま湯などで洗い流します。使用法や注意点など、各商品の記載事項をよく確認してから使用しましょう。スプレー糊とその関連商品は、文房具店や画材店、ホームセンターなどで購入することができます。

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参考文献
・「ものづくり 道具のつかい方事典」峰尾幸仁/監修 岩崎書店 2002年
・「究極の文房具カタログ マストアイテム編」高畑正幸/著 ロコモーションパブリッシング 2006年
・「新装版 絵画材料事典」R・J・ゲッテンス G・L・スタウト/著 森田恒之/訳 美術出版社 1999年

参考ウェブサイト
住友スリーエム株式会

監修
田中克明 通信教育課程工芸工業デザイン学科教授

作成日・改訂
2008年04月25日作成