ステープラー すてーぷらー

Stapler

ステープラーは、重ねた紙などに「コ」の字型をした、綴じ針(ステープル)を打ち込むことで、綴じ合わせる道具です。一般にホッチキスとも呼ばれます。

数枚の紙を綴じるのに、糊などでは「乾かすのに時間がかかる」「剥がすのが容易でない」「手が汚れる」、クリップなどでは「留めが弱い」などの問題があります。冊子などを作る場合も、糸綴じなどでは手間がかかってしまいます。ステープラーは、こういった作業を容易に行いたい時に便利な道具といえます。ステープラーのサイズは、1号、3号、10号などいくつかの種類があり、3号と10号はJIS規格になっています。現在最も一般的に使用されているのは10号で、小型で手軽に扱えることから、家庭や学校・オフィスなどに普及しています。

基本的な使用方法は、小型のものなら手に持ち、重ねた紙などを動かないようにしながら、ステープラーで上下から紙を強く挟み込むことで、綴じ針を打ち込みます。また、ステープラーのハンドル部分を180°開いて、針の出る部分を壁や台などにあてて、ヘッド部分を強く押し込むと、例えばポスターを貼る時などに、ピンや画びょうの代わりとして使うこともできます。(この時、壁や台が堅すぎると、ステープラーの針が通らず故障の原因となるので注意しましょう。)ステープラーは、綴じる時に途中で力を抜いたり、綴じるものが硬すぎると、針が浮いたり、針の出口が詰まることがあります。また綴じ針は、多くは軟鋼鉄に亜鉛メッキをしたものなので錆びやすく、時間経過により書類に汚れなどがついてしまう場合があります。(サビや腐食に強いステンレス製もあります。)針を補充する際は、そのホッチキスの大きさにあった号数の針を使用しましょう。

ステープラーの発明は、機関銃の発明者である米国のベンジャミン・B・ホッチキス(1825-1885)が通説になっていますが、それ以前に原型の誕生記録があり、事実と異なる説が通説となっています。日本では、明治時代の中頃より輸入が始まりました。当時は「自動紙綴器」とも呼ばれていましたが、その後、幾多の改良を重ねながら、現在のものへと至っています。文房具店や画材店などで購入できます。

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参考文献
・「図画工作・美術用具用法事典」相田盛二/著 日本文教出版株式会社 1996
・「図画工作・美術科 重要用語300の基礎知識」若元澄男/編 明治図書出版 2000年
・「ものづくり 道具のつかい方事典」峰尾幸仁/監修 岩崎書店 2002年
・「究極の文房具カタログ マストアイテム編」高畑正幸/著 ロコモーションパブリッシング 2006年
・「デザイン 材料と表現」美術手帖増刊号編集部/編 美術出版社 1997年
・「日本大百科全書」小学館 1985年

参考ウェブサイト
マックス株式会社
株式会社イトーキ

監修
田中克明 通信教育課程工芸工業デザイン学科教授

作成日・改訂
2008年06月20日作成