ジェッソ じぇっそ
Gesso
ジェッソは、アクリル系樹脂エマルジョンを媒体にした地塗り剤で、チタニウムホワイトと炭酸カルシウム等の体質顔料をアクリルエマルジョンに混合した白色の乳液状の液体です。主に地塗り剤として、支持体の目止め、絵具の定着、発色の補助の役目を果たします。さらに強い隠蔽力があり、また絵具のように色材としても使用できます。また、ジェッソを塗った上からアクリル絵具だけでなく、油絵具や水彩絵具で塗ることもできます。元来、テンペラ画等の下地として用いられていた石膏地をイタリア語でGesso(ゲッソ)といいました。後に白亜地も含めた地塗り剤全般を称し、今日ではこのアクリル系白色目止め地塗り剤を指します。
一般的な使用方法として、原液か原液に20%位の水を加えたものを、刷毛やローラー等で数回方向を変えて重ね塗りをします。一度に厚塗りをせず、薄く何度も塗り重ねることで、白色堅牢でマットな質感の下地ができ、サンドペーパーをかければ平滑にもなります。ただし、その時の注意として、油性キャンバス、また油絵具で描かれた上からの使用は避けましょう。また、支持体が吸収性の強い場合は、アクリル系メディウム等で目止めする必要があります。
ジェッソの種類には基本の白色と、有色のカラージェッソがあります。有色下地は、アクリル絵具の混用でも作ることができます。他に、体質顔料の粒子の大きさにより、地肌の異なる下地を作ることもできます。
ジェッソは、一般的な画材店で購入できます。
関連科目
参考文献
・「基礎技法講座6 アクリル画の用具と描き方」美術出版社 1983年
・「アクリル画 材料と表現」美術手帖増刊号編集部編/編 美術出版社 1982年
・「リキテックス大全」美術出版社 2004年
・「絵画表現のしくみ 技法と画材の小百科」美術出版社 2000年
・「絵具の辞典」ホルベイン工業技術部/編 中央公論美術出版 1996年
監修
堀内貞明 通信教育課程油絵学科教授
島眞一 通信教育課程油絵学科教授
作成日・改訂
2007年10月12日作成