キャンバス張り器 きゃんぱすはりき

Canvas Stretching Tools

キャンバス張り器(プライヤー)は、主に油彩画における支持体である張りキャンバスを仕立てる際に用いるペンチ型の道具です。

キャンバス(画布)を木枠(画枠)に張る時は、適度な幅をもって均等な力でキャンバスを引っ張りながらタックス(キャンバス用の釘)で打ち留めていきます。その際に引っ張る道具として、ペンチの先端部分を横に幅広くしたような形状をしたキャンバス張り器が必要になります。材質は、鍛造鋼製・アルミ合金製などの金属で作られ、持ち手の間にバネがついているものが多く、通常時は先端部分が開いている状態になります。キャンバスを挟む部分の幅は、小さいもので4.5㎝ぐらいから、大きいもので12㎝ぐらいのものまであります。幅の大きいものは、100号以上の大きいサイズのキャンバスを張る時などに適しています。挟む部分の内側には、ギザギザの溝やウレタンゴムがついていて、しっかりキャンバスを掴めるようになっています。また、挟む部分の下部には突起があり、その突起部を木枠の角などにひっかけて支点にし、テコの原理を利用して軽く引くだけで、しっかりキャンバスを引っ張ることができます。

取り扱いの注意として、キャンバス張り器の挟む部分にあるウレタンゴムが消耗してきた場合は、マイナスドライバーなどを使ってきれいに剥がした後、金属・ゴム用瞬間接着剤を塗布し、新しい替ゴムを圧着することで貼り換えることができます。
キャンバス張り器や替ゴムは、一般的な画材店で購入できます。

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参考文献
・「絵画(素材・技法)」武蔵野美術大学油絵学科研究室/編 武蔵野美術大学出版局 2002年
・「絵画材料事典」R・J・ゲッテンス・G・L・スタウト/著 森田恒之/訳 美術出版社 1999年
・「絵画技術全書」クルト・ヴェールテ/著 佐藤一郎/監 美術出版社 1994年
・「絵画の教科書」谷川渥/監 小澤基弘・渡邊晃一/編 日本文教出版 2001年

参考ウェブサイト
「2002-2006年 造形ファイル」 武蔵野美術大学
フナオカキャンバス

監修
堀内貞明 通信教育課程油絵学科教授

作成日・改訂
2008年12月25日作成

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  • キャンバス張り器の跡が気になる場合は…キャンバス張り器の跡が気になる場合は…
  • 当て板をしてキャンバス張り器を使うと跡がつきません当て板をしてキャンバス張り器を使うと跡がつきません

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