アクリル絵具 あくりるえのぐ

Acrylic Paints

アクリル絵具は、20世紀に生まれたアクリル系合成樹脂を利用した水溶性の絵具です。もともとは壁画製作用絵具として開発されました。絵具の内容成分は、油絵具などと同様の顔料と展色剤(バインダー)としてエマルジョン状のアクリル樹脂が練り合わさっています。
発色、耐候性に優れ、退色や変色を起こしにくく、固着力が強い一方で、柔軟性に富み、亀裂、剥落が少ないなどの特徴が挙げられます。また、水溶性で乾きも早く、乾燥後は耐水性になるため重ね塗りが容易にできます。
種類も、練りの硬さの違う通常のレギュラータイプと乳液状のソフトタイプや、不透明性の高いガッシュタイプ、さらに多彩な表現を可能にする各種メディウム類があります。
一般的な使用方法は、水彩絵具と同じように水で溶いて使います。水加減ひとつで水彩風から油彩風まで表現することができます。
ただし、アクリル樹脂自体は無色透明ですが、使用する際は乳白色のため、濡れている時と乾燥時の色のトーンに若干差がでます。厚塗りしても水が蒸発するため、絵具の厚みは目減りします。また、速乾性なので、パレットに出した絵具が乾かないよう霧吹き等で度々湿らす必要があり、作業にも計画性が要求されます。筆に付いた絵具が固まってしまった場合は、専用の剥離剤に浸け柔らかくなってから拭き取りましょう。余った絵具は、密閉容器(フィルムケースなど)に入れることにより保管することができます。
アクリル絵具は、一般的な画材店で購入できます。

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参考文献
・「基礎技法講座6 アクリル画の用具と描き方」美術出版社 1983年
・「アクリル画 材料と表現」美術手帖増刊号編集部編/編 美術出版社 1982年
・「リキテックス大全」美術出版社 2004年

監修
堀内貞明 通信教育課程油絵学科教授
島眞一  通信教育課程油絵学科教授

作成日・改訂
2007年10月12日作成

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  • アクリル絵具の固着プロセス

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