記録メディア きろくめでぃあ

Recording Media

記録メディア(記録媒体)は、コンピュータの黎明期においては紙で作られた穿孔テープや穿孔カードが用いられていたこともありましたが、現状では磁気記録、光記録、 光磁気記録や半導体記録などの方式によって情報を記録するための物体、或いは装置をいいます。

記録メディアの進歩の歴史は記録密度向上の歴史でもあり、それによって小型軽量化や低価格化が促進され、最近では各種多様な記録メディアが市場に登場しています。記録メディアの種類、記録フォーマット、データ形式の3つの要素は互換性を維持するため、その成立に関わる規格や仕様、或いは使用目的によって関連付けられていますが、それらは必ずしも不可分ではなく、ユーザーの目的によってある程度自由に選択できる場合もあります。一例として、CDといえば音楽を収めたCDであり、プレス工程で製造されたディスク形式で記録フォーマットはCD-DA(Red Bookで規定)に準拠し、データ形式は標本化周波数44.1kHz、16ビット直線量子化といえる訳ですが、これをCD-RやCD-RWといった他種のメディア上に再構築することも可能です。(読み取れるかどうかは駆動装置の性能に依存するので相互運用性には注意が必要です。)或いは、コンピュータのデータファイルをCD-Rに記録しようとする場合に、ISO9660やHFS+などといった記録フォーマットを選択することができます。オーディオ愛好家の間では、CDの音楽を長期保存する場合にリッピングしたデータをCD-ROMに記録することが行われていますが、記録フォーマットを変更すれば高度な誤り訂正が利用できることを利用して、メディアの劣化に対抗することを期待している訳です。

記録メディアの寿命は(支持体の摩滅まで可読な書物と比較して)短いものが多く、駆動装置側の製品サイクルとも関係して永久に使用できるものではありません。比較的長寿命とされていたCDでも記録層の金属薄膜が腐食し、数年で使用不能になるような事例も報告されているので、データバックアップは怠りなく行うことが望まれます。

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参考文献
・「DTP&印刷しくみ事典」ワークスコーポレーション エデュケーション編集部/編 株式会社ワークスコーポレーション 2005年
・Ecma Standards‚ Volume and File Structure ECMA-119‚ 167‚ 168

参考ウェブサイト
日本工業標準調査会
・(社)日本記録メディア工業会
オレンジフォーラム
DVDフォーラム

監修
堀越洋一郎 通信教育課程デザイン情報学科教授

作成日・改訂
2008年01月30日作成