色の三属性 いろのさんぞくせい

Three Attributes of Color

色の三属性とは、色の持つ三つの性質である、色相・明度・彩度をいいます。人の眼は物体が吸収・反射する光や、物体を透過する光を色として知覚しますが、その見え方には色相・明度・彩度の違いがあります。これらはそれぞれ関連しあっているため、ひとつの属性を扱っただけでは、特定の色をいいあらわすことはできません。

色相とは、赤・黄・緑・青のように、色を特徴づける「色み」のこといいます。色みは、光の波長の違いによって変化します。色相を環状に配置し、色を体系化する方法として、色相環があります。色のあざやかさの度合いをあらわすのが彩度です。あざやかな、色みが強い色は彩度が高く、色みの弱いくすんだ色は彩度が低くなります。わずかでも彩度がある色は有彩色といい、白・灰・黒などは無彩色といいます。有彩色・無彩色は、それぞれに明るい色と暗い色があり、この色の明るさの度合いを明度といいます。明度は物体の表面の光の反射率に関係します。無彩色の中では、反射率の高い白は明るく(明度が高く)、黒は暗く(明度が低く)なります。

また、色の三属性の相互関係は、色立体として三次元的にあらわすことができます。色相を環状に配置し、その中心に垂直に取った軸が明度を、中心軸から色相環までの距離が彩度をあらわします。

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参考文献
・「造形基礎」長沢秀行/監修 小野皓一 樺山祐和 桑原盛行 山本明比古 若林直樹/著 武蔵野美術大学出版局 2002年
・「色彩用語事典」日本色彩学会/編 東京大学出版会 2003年
・「色彩学概説」千々岩英彰/著 東京大学出版会 2001年
・「色彩の基礎 芸術と科学」川添泰宏/著 美術出版社 1996年
・「デザイン小辞典」福井晃一/編 ダヴィッド社 1978年
・「図画工作・美術科 重要用語300の基礎知識」若元澄男/編 明治図書出版 2000年

参考ウェブサイト
「2002-2006年 造形ファイル」 武蔵野美術大学
大日精化工業株式会社

監修
白石学 デザイン情報学科専任講師

作成日・改訂
2009年03月10日作成