耐水ペーパー たいすいぺーぱー
Wet and Dry
耐水ペーパーは、サンドペーパーの一種で、使用時に水を付けて研磨する道具です。一般的に、紙ヤスリが非耐水性であるのに対し、耐水ペーパーは水によって基材が破れたり、接着剤が溶けたりしないように作られています。水を付けて磨くことで、擦る際に生じる摩擦熱を抑え、削り屑の飛散の防止や目詰まりを少なくすることができます。また削り屑で目詰まりしても、研磨剤がはげてしまうまでは、水で洗い落として、繰り返し使用することができます。ただし磨く素材自体が水に弱い場合や吸水性のある場合(例えば木材)は、水をつけずに空砥ぎで使用します。
耐水ペーパーに使用されている研磨剤の粒の大きさは「番手」で表示されています。目が荒い80番、100番あたりから、1000番、1200番と数字が大きくなるにつれて、研磨剤の目が細かくなっていきます。使用時は、耐水ペーパーを軽く水に浸してから、普通のサンドペーパーをかける時と同様に磨いていきます。最初は目が荒いものを使用し、3~4段階くらいに分けて、中目、細目、と使っていきます。作業途中に耐水ペーパーが乾いてしまったら、再度水に浸します。金属面に使用する時には、金属をサビさせてしまわないよう、水の代わりにオイルを使用することがあります。耐水ペーパーを持って素材を磨いていく以外にも、板やガラス板の上に耐水ペーパーをしっかり貼り付け固定し、素材のほうを持って研磨作業をすると、力を均等にかけやすくなるので、直角面や平面が出しやすく、作業が容易になります。耐水ペーパーや紙ヤスリは、ホームセンターや工具店などで入手できます。
参考文献
・「ドローイング・モデリング」横溝健志 小石新八/編 武蔵野美術大学出版局 2002年
・「図画工作・美術用具用法事典」相田盛二/著 日本文教出版株式会社 1996年
・「NOMOKEN 野本憲一モデリング研究所」野本憲一/著 ホビージャパン 2003年
・「道具の徹底使用術」荒井章/著 山海堂 2000年
・「道具大全 手作り、クラフト、DIY。」デザインの現場増刊号編集部/編 美術出版社 1997年
・「道具の使い方コツのコツ3 穴をあける、削る、磨く道具」ものづくり・道具愛好会/編リブリオ出版 2005年
・「DIY工具完全活用ブック」藤岡等/著 山海堂 2003年
監修
横溝健志 通信教育課程工芸工業デザイン学科教授
作成日・改訂
2009年06月27日作成