筆洗油(ブラシクリーナー) ひっせんゆ(ぶらしくりーなー)
Brush-cleaning Fluid
油絵具を使用した筆は、筆洗油(ブラシクリーナー)という石油を精製した溶剤で洗浄します。使用方法は、容器(筆洗缶)に筆洗油を注ぎ(分量は、筆を入れた時に筆先が完全に浸かる高さ)、絵具の付いた筆先を溶剤に浸けながら容器の底にある金網などに擦って洗い落とします。携帯用の小型の容器に入った筆洗油の場合は、容器自体が筆洗器になっていますので、筆先を直接容器に浸し、底にある凹凸部分等で擦り洗いします。
筆洗油の取替え時期は、濁り具合、粘り気、臭いなどの変化で判断しますが、可能な限り早めの交換を心がけましょう。長持ちさせるコツは、筆洗の前に筆に付いた絵具をボロ布などでよく拭っておくことです。
市販されている筆洗油の種類としては、石油臭のない「オドレス(無臭)タイプ」、筆を保護する「リンス入り」、界面活性剤により絵具を落とす「水性タイプ」などがあります。また、描画中の筆洗により筆洗油が画面に混入するのを嫌う場合は、精製度が高い「ぺトロール」を使用しても良いでしょう。ちなみに灯油は、洗浄力が弱く成分の性質上揮発に時間もかかるため、使用を控えた方が良いでしょう。
汚れた筆洗油の処分方法は、市販の油処理剤を用いることをお勧めします。油を固めるタイプと、固形媒体に吸収させるタイプ等があり、環境問題や発火の恐れがなく安全に廃棄できます。
取り扱いの注意として、揮発性が高いため容器や筆洗缶のフタをしっかり閉めて保管し、換気や室温、火の気などには常に注意をして利用しましょう。