直定規 ちょくじょうぎ

Straight Edge Ruler

直定規は、直尺(ちょくじゃく)とも呼ばれ、精度の高い直線を描いたり、切ったりする際に用いる道具です。鉛筆などの筆記具やカッターなどの刃物を直定規に沿わせて使用します。一般的に、ものさしは、主にものの長短をはかる時に用いられ、直定規は線をひいたり物を裁断する時に使用されることの多い道具です。直定規はこのように、ものさしとは目的が異なる道具ですが、多くの直定規には計測のための目盛が付いているため、ものさしとしても使用できるようになっています。

直定規の長さは15センチほどの短いものから、2メートルのものまで様々です。材質はいくつかありますが、例えばスチール製のものは重みがあるので、比較的軽い力で押さえてもしっかりと線がひけます。また、硬度もあるので、刃物のガイドとして使用するのにも適しています。アルミ製のものは、スチールのものに比べ、軽いので扱いやすいですが、落としたりすると衝撃で角が潰れてしまうことがあります。こちらも刃物を使う際に適しています。プラスチックやアクリル製のものは、透明に作られていて、下の地が見えるので、金属製のものとは違う使いやすさがあります。(製品によって方眼が付いているものもあります。)竹製のものは、軽さと強度と柔軟性を併せもっており、木製のものは、やや厚みがあり、紙の折り曲げに利用することもできます。なお、定規によっては溝引き用の溝がはいったものがあります。また「折り尺」は、複数個所が折りたためるようになっており、持ち運びに便利です。

カッターを使用する際は、金属製の定規で目盛が定規の片側のみに付いているものは、目盛の付いていない側で使用します。アクリル製の定規などでは、刃物使用のためにステンレスの縁の付いた製品がありますから、この縁が付いている側を使います。木製部分や、カッター用の縁が無い側に直接刃物をあてるのは避けましょう。なお版画などでは、用紙の裁断にはカッターを使用せず、直定規を用紙にあて、定規に沿うように手で裁断します。こうすることで自然な裁断面を得ることができます。またインクやペンなどの筆記具を使う時は、インクがにじんでしまわないよう、定規の目盛の付いている傾斜した側をひっくり返して使うと良いでしょう。直定規は、画材店や文具店などで入手できます。

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参考文献
・「道具の徹底使用術」荒井章著/著 山海堂 2000
・「図画工作・美術用具用法事典」相田盛二/著 日本文教出版株式会社 1996
・「デザイン 材料と表現」美術手帖増刊号編集部/編 美術出版社 1982
・「道具大全」デザインの現場増刊号編集部/編 美術出版社 1997
・「ドローイング・モデリング」横溝健志 小石新八/編 武蔵野美術大学出版局 2002

監修
小石新八 通信教育課程工芸工業デザイン学科教授

作成日・改訂
2008年03月21日作成

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  • 折り尺折り尺
  • 溝引きをするとき溝引きをするとき
  • ペンで線を引くときペンで線を引くとき
  • カッターを使用するとき
(カッティング用の縁がある側を使用する)カッターを使用するとき (カッティング用の縁がある側を使用する)

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