画用紙 がようし

Drawing Paper

画用紙は、最も一般的な絵画用紙の一つで、鉛筆画やペン画、水彩画の他に工作などにも利用され、とても汎用性の高い紙です。

紙面は中目から細目程度の紙の肌理(表面の凹凸)と適度な硬さがあり、画用紙特有のザラッとした質感を持っています。紙色は基本的には白色で光沢は無く、インクが滲(にじ)まない程度のサイジング(滲み止め加工)が施されています。柔らかめの鉛筆がよくなじみ、コンテやクレヨンのような描画材も使うことができ、消しゴムを使用しても毛羽立ちにくくなっています。紙の裏表は、表側はわずかに凹凸やザラつきがあり、裏側はやや平滑になっています。

原料は、上質紙として化学パルプ(木材を化学的に処理し、木繊維のみ抽出したもの)で製造されたものや、木材を砕いて作ったのみのパルプ(新聞紙などにも利用)を多く含んだものがあります。後者は比較的安価なこともあり、絵画の練習用としても多く利用されています。

画用紙には多くの種類があります。「サンフラワー」と呼ばれる画用紙には厚さ(1平方メートルあたりの紙一枚の重量で表示)の異なる「A画」(157g)と「M画」(205g)の2種類があります。どちらも中性紙で中目程度の紙の肌理を有し(M画の方が肌理は若干ハッキリしている)、純白に近い紙色をしています。「TMKポスター」は厚さが193gと217gの2種類あり、紙の表面は若干の凹凸があるものの比較的平滑で、紙色はナチュラルホワイトです。水分に強く発色の良さが特徴の高品位な中性の紙です。「HG画学紙」は、243gという厚さが特徴の紙で、純白に近い紙色をしていて細目程度の紙肌です。またその厚みにより水分による波打ちに強い紙です。その他にも「白象画学紙」や「ニューキャンバスペーパー」(2014年10月現在廃版)など様々な種類の画用紙があります。また、各画用紙のサイズはB本判サイズのものが一般的ですが、他に10mのロール状のもの(サンフラワーA画のみ)もあります。

画用紙は水彩紙ほど水分に強くなくたわみやすいので、水分を多く含む描画材を使用するときは、水張りをしてからの使用をお奨めします。
画用紙は、画材店や文房具店で購入できます。

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参考文献
・「画材の博物誌」森田恒之/著 中央公論美術出版 1994年
・「画材全科 油彩・水彩・デッサン&スケッチ」グラフィック社編集部/編 グラフィック社 1995年
・「ドローイング」近藤達雄/著 美術出版社 2000年

参考ウェブサイト
「2002-2006年 造形ファイル」 武蔵野美術大学
マルマン株式会社
株式会社ミューズ

監修
堀内貞明 通信教育課程油絵学科教授

作成日・改訂
2008年04月25日作成

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  • サンフラワーA画における描画例

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