模造紙 もぞうし

Imitation Japanese Vellum

模造紙は、大判で紙面が滑らかなので描画材の運びが良く、ドローイングや下図などの描画に適した紙です。

紙の厚さは薄く、裏表の差がほとんどありません。また、サイズは四六判(1091mm×788mm)のものが一般的です。その他に、方眼模造紙やカラー模造紙、10メートルのロール状のものなどがあります。

模造紙は、明治時代に旧大蔵省印刷局で製造された「局紙(きょくし)」という和紙に由来しています。紙質が強く、見た目が美しかった局紙は、ヨーロッパに輸出され好評を博します。その後ヨーロッパでは、化学パルプを用いてこの局紙を模した紙が製造されるようになりました。この局紙を模した紙は、やがて高級洋紙として日本に逆輸入される形で入ってくることになり、国内でさらにこの洋紙を化学パルプで模造したのが、現在の模造紙のはじまりとされています。また、模造紙の名称は、「大洋紙(たいようし)」「広洋紙(ひろようし)」「大判紙」「B紙」といったように、地域によって様々な名称で呼ばれています。

使用上の注意としては、水彩などの水分を多く含んだ描画材を多用すると紙面が凸凹やシワになってしまうことがあります。
画材店などで購入することができます。

※描画例(写真)は、用紙の特性や表現の可能性を示すためのテストサンプルであり、特定の描画材の使用を薦めているものではありません。(一般的には適していないとされる描画材もあえて使用しています。)

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参考文献
・「洋紙と用紙」金児宰/著 光陽出版社 1997年
・「デザイン 材料と表現」美術手帖増刊号編集部編/編 美術出版社 1982年
・「紙パルプ事典」紙パルプ技術協会/編 金原出版 1989年
・「旺文社百科事典」旺文社 1983年
・「日本大百科全書」小学館 1994年

参考ウェブサイト
コクヨS&T株式会社

監修
堀内貞明 通信教育課程油絵学科教授

作成日・改訂
2008年03月21日作成