リトクレヨン りとくれよん
Lithographic Crayons
分類
リトクレヨンはリトグラフで描画をする際に使用する、脂肪分の多いクレヨンです。
リトクレヨンには2つの形状があり、コンテ状のものと鉛筆状のものがあります。それぞれにいくつかの硬さがあり、描画の状態に合わせて硬度の異なるクレヨンを使用すると良いでしょう。メーカーによって硬さの表示の方法が違うので、購入の際には注意が必要です。コンテ状のものはクレヨンばさみに挟んで使用すると良いでしょう。鉛筆状のものはリトペンシルと呼ばれており、紙巻き軸なので芯出しも非常に簡単に行うことができます。
また、布や指先につけて版面に擦り付けて描画をするラヴィングクレヨンというものもありますが、最近、国内では手に入りにくくなっています。
リトクレヨンは牛脂、マルセル石鹸、油煙(カーボンブラック)、蜜蝋、セラックなどから出来ており、この牛脂、マルセル石鹸が製版されることによって、版面の金属と結合し吸着され、水分を弾く感脂部分を作ります。
リトクレヨンの代用としては、ダーマトグラフ(三菱鉛筆)があります。ダーマトグラフはワックスなどが多く含まれており、リトクレヨンのように使用することが可能ですが、リトクレヨンのように硬度の異なる種類はなく、製版の際にはチンクターで補強をしなければなりません。
リトクレヨンは版画材料を取り扱っている画材店などで購入することができます。
関連科目
参考文献
・「版画」武蔵野美術大学版画研究室/編 武蔵野美術大学出版局 2002年
・「版画の技法と表現 改訂版」町田市立国際版画美術館 2003年
・「版画事典」室伏哲郎/著 東京書籍 1985年
参考ウェブサイト
・「2002-2006年 造形ファイル」 武蔵野美術大学
監修
永井研治 通信教育課程油絵学科教授
作成日・改訂
2007年09月10日作成