ペーパーセメント ぺーぱーせめんと

Paper Cement

ペーパーセメントは、天然ゴムと有機溶剤を主成分とした接着剤で、デザインやレイアウト、プレゼンテーションボードを作成する際に、紙を貼り合わせるために使用します。貼り合わせが簡単にでき、また一度貼った後でも接着物を傷めずに剥がすことができるので、位置を移動して貼り直すことができます。ペーパーセメントは、購入した状態では粘度があり、トロっとしています。別売りのディスペンサー(小分けするための詰め替え容器)に適量を移し、ソルベント(薄め液)を加えて、サラっとした状態になるまで濃度を調整しておくと、使いやすいでしょう。ペーパーセメントには、貼り合わせる紙の両方の接着面に塗布する「両面塗り」と、片いっぽうだけの接着面に塗布する「片面塗り」などがあります。いずれの場合も、接着面によく伸ばし、均等に塗布します。

紙を貼り合わせる時、スティック糊やでんぷん糊を使用すると、紙が水分を吸って伸縮したり、反(そ)ったりすることがあり、また一度貼ったものを貼り直すことが困難です。ペーパーセメントは、紙がよれず、一度接着したものでも貼り直しやすいという特長があるので、例えば方眼紙どうしを重ねて目盛りを合わせるといった細かい作業や、プレゼンテーション用ボードの見た目をきれいに仕上げたい時などに活用できます。またレイアウト作業中の仮止めにも適しています。ただし、ペーパーセメントは、一時的な接着には適していますが、恒久的な接着にはあまり適していないので注意しておきましょう。

一度貼ったものを傷めずきれいに剥がす時は、ソルベントを使用します。接着物の角を少し剥がし、そこにソルベントを注入しながら、さらに剥がしていきます。紙からはみ出たペーパーセメントはラバークリーナーを使って軽くこすると、きれいに取り除くことができます。

ペーパーセメントやソルベントを扱う時は、換気に気をつけるなど、製品に記載されている注意事項をよく守って使用しましょう。また、揮発性・引火性が強いので、使用後はしっかり栓を閉めましょう。ペーパーセメントやソルベントは、画材店やホームセンターなどで購入できます。

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参考文献
・「デザイン 材料と表現」美術手帖増刊号編集部/編 美術出版社 1997年
・「究極の文房具カタログ マストアイテム編」高畑正幸/著 ロコモーションパブリッシング 2006年

監修
田中克明 通信教育課程工芸工業デザイン学科教授

作成日・改訂
2009年02月13日作成

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  • 左から ペーパーセメント用ディスペンサー、
ソルベント、ラバークリーナー左から ペーパーセメント用ディスペンサー、 ソルベント、ラバークリーナー

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