ダーマトグラフ だーまとぐらふ

Dermatograph

ダーマトグラフは紙巻きの軟質色鉛筆描画材で、版画ではリトグラフの描画の際にリトクレヨンの代用品として使用されています。

ダーマトグラフは、紙巻きの鉛筆状の形をしています。芯は一般の色鉛筆とは異なり、成分にワックスを多く含んでいることが特徴です。描画をするとリトクレヨンの硬度が高いものと似た調子を得ることができます。しかし、リトクレヨンに比べると油脂分が少ないために、製版の際にチンクターによる感脂部の補強(チンクター返し)の作業が必要となります。

ダーマトグラフは昭和30年に三菱鉛筆から発売されており、語源は、ギリシャ語で“dermato”(「皮膚」の意)と“graph”(「描く」の意)を併せた言葉で、「皮膚に描けるもの」という意味になっています。名前のとおり、皮膚やガラス、金属、フィルムなど、一般の鉛筆では書くことが困難なものに使用することができます。現在ではその特性を生かして、さまざまな用途に使用されています。
ダーマトグラフは一般の画材店や文具店で購入できます。

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関連科目

参考文献
・「版画」武蔵野美術大学版画研究室/編 武蔵野美術大学出版局 2002年

参考ウェブサイト
「2002-2006年 造形ファイル」 武蔵野美術大学
三菱鉛筆株式会社

監修
永井研治 通信教育課程油絵学科教授

作成日・改訂
2007年09月10日作成