タルク(ストーンパウダー) たるく(すとーんぱうだー)

Talcum Powder (Stone Powder)

タルク(talc:英)とは、リトグラフの製版を行う時に、製版インクや描画材を定着させ、製版液の酸から画線部を保護するために用いる白色、または灰白色の粉末です。

成分は、滑石(含水珪酸マグネシウム)という鉱石を微粉砕した微粉末です。滑石は、玩具用の描画材である「蝋石」として親しまれている鉱石です。性質としては、耐酸性の性質を持ち、硬度が低く滑らかで版面を傷つけず、同じ使用役割のレジーヌよりも微細な粉末になるため、画線の細部まで作用させることができます。

タルクの使用方法としては、あらかじめレジーヌによる描画部分(リトクレヨン・解き墨・製版インクなど)の保護処理をしておきます。次にタルクを柔らかい布や脱脂綿で版面全体にやさしく擦り込むことで、レジーヌの時よりも更に粉末が描画部分の細部に定着し、より耐酸性処理がしっかり行えます。その後に製版液(酸性)が塗布されても描画部分は保持されます。

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関連科目

参考文献
・「版画」武蔵野美術大学出版局

参考ウェブサイト
「2002-2006年 造形ファイル」 武蔵野美術大学

監修
永井研治 通信教育課程油絵学科教授

作成日・改訂
2007年06月14日作成