ストリッパー すとりっぱー

Paint Stripper

ストリッパーは、乾燥固化した油絵具を溶解し除去するための液状またはゲル状の剥離剤です。

筆やパレットに付着固化した絵具にこの液を塗り、数分から10分程度待ち、絵具が浮き上がってきたところを布やパレットナイフで取り除きます。絵具が盛ってある作品の画面上で使用する場合、長時間塗ったままにしてしまうと、ナイフなどで取り除いたときに地塗りまで剥がれる恐れがあるので、剥がしたい絵具層の深さにより待ち時間を調整しましょう。

内容成分はジクロロメタン(塩化メチレン)や、セロソロブ(エチルグリコール)などで、さらにこれらの蒸発を防ぐためのパラフィンワックスなども含まれています。画面修正に使用した場合は、ワックス成分が絵具の定着を妨げるので、使用箇所をテレピンなどしみ込ませた布で拭き取ります。また塩素系の有害揮発物質が含まれているので蒸気を吸い続けないように換気には注意して下さい。また、皮膚や目に付着した場合、すぐに水で洗い流しましょう。場合により医師への相談が必要です。保管は、高温になる場所は避けましょう。液体の温度が高いと開栓する際、飛散することがありますので、身体に向けず蓋はゆっくり回して開けましょう。

ストリッパーは環境負荷とヒトへの毒性の懸念から、最近では非塩素系剥離剤もあります。不揮発性なので、蒸気の吸入による人体への影響が極めて低く、低臭です。また製品自体に生分解性があるため環境に残りません。ただ剥離力はストリッパーよりも劣ります。
ストリッパーは、一般的な画材店で購入できます。

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参考文献
・「絵具の科学」ホルベイン工業技術部/編 中央公論美術出版 1994年
・「絵画 材料と表現」美術手帖増刊号編集部編/編 美術出版社 1981年
・「ホルベイン画溶液解説書」ホルベイン工業株式会社

参考ウェブサイト
クサカベ株式会社

監修
堀内貞明 通信教育課程油絵学科教授
島眞一  通信教育課程油絵学科教授

作成日・改訂
2007年10月12日作成