ジンク板 じんくばん

Zinc Plate

ジンク板(亜鉛板)は、リトグラフまたは凹版画において、版材として使用される金属製の板のことです。

ジンク板は石版石やアルミ板、銅板の代用として使用されることが多く、以前に比べ現在ではそれほど多く使用されることはなくなりました。
リトグラフでは、高価で重く扱いが大変な石版石に代わりジンク板が使用されるようになりましたが、現在は、より軽く印刷時の耐久性が高いアルミ板が使用されるようになっています。
購入の際に、材料店にてジンク板の表面を研磨してもらい、砂目を立ててから使用します。取り扱いの際には、ジンク板はアルミ板よりも感脂性が高いために、版面に余計な油分を付けない様に注意する必要があります。
凹版画で使用する際には、亜鉛は銅よりも柔らかい性質があるため、エングレーヴィングなどの直刻法の場合には比較的作業が楽にできるという長所がありますが、ドライポイントなどに用いると、何度か印刷しているうちに彫版した際の特徴である“まくれ”などがプレス機の圧力などで消えてしまうという欠点があります。亜鉛板を腐食して製版する際には銅板などの他の金属と分けるようにし、腐食液は希硝酸(濃度の薄い硝酸)などを用います。
ジンク板は、版画材料を取り扱う専門店にて購入することができます。

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参考文献
・「版画事典」室伏哲郎/著 東京書籍 1985年
・「版画」武蔵野美術大学油絵学科版画研究室/編 武蔵野美術大学出版局 2002年

監修
永井研治 通信教育課程油絵学科教授

作成日・改訂
2008年06月20日作成

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