エポキシ系接着剤 えぽきしけいせっちゃくざい

Epoxy Adhesives

エポキシ系接着剤は、主剤となる液状のエポキシ樹脂と、ポリアミン類と呼ばれる硬化剤の2液を常温で化学反応させることで硬化する接着剤です。使い方は、主剤と硬化剤をチューブから等量を絞り出して、よく混ぜ合わせて使用します。接着できる材質は、木材・ガラス・金属・陶器・石材など、比較的広範囲にわたりますが、硬化後、堅い樹脂になるので、皮革・ゴム・布などの柔らかいものには不向きです。耐熱性や耐水性、また耐候性が高いという特長を持っているため、屋外工作物などにも多く利用されています。

商品の種類はいくつかあるので、用途や目的に応じて選ぶことができます。「透明型」は、ガラス細工など、クリアーな部品を接着する際、接着跡が目立ちにくいという特長があります。硬化を開始するまでの時間が比較的早い「2分型」のようなタイプは、部品を支えている時間が短くて済む反面、広く大量に塗る場合や、同時に複数個所に使用する場合などは、作業を手早く済ませることが必要になります。(商品パッケージに「○分型」とあるのは、完全に硬化するまでの時間ではなく、硬くなり始めるまでの時間の目安を指します。)

エポキシ系接着剤は、もともとは、20世紀の急速に石油化学工業が発展する過程で生まれた「エポキシ樹脂」を接着剤として利用したもので、当初は航空機用として使用が始まりました。現在では建築や土木、家庭用など、多くの分野で活用されています。

購入する際は、各商品パッケージで、接着する材質の向き・不向きを確認しましょう。また、人体に直接触れるものには使用しない、など使用上の注意をよく読んでから作業をしましょう。ホームセンターやDIYショップなどで購入できます。

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参考文献
・「接着の科学」竹本喜一 三刀基郷/著 講談社 1997年
・「立体大全 素材+道具+テクニック」デザインの現場編集部/編 美術出版社 1996年
・「NOMOKEN 野本憲一モデリング研究所」野本憲一/著 ホビージャパン 2003年
・「DIY素材百科」学習研究社 2004年
・「日本大百科全書」小学館 1985年

監修
田中克明 通信教育課程工芸工業デザイン学科教授

作成日・改訂
2008年10月03日作成