アラビアゴム あらびあごむ

Gum Arabic

アラビアゴムは、リトグラフで使用するアラビアゴム溶液や製版液の原料となる天然樹脂です。水彩絵具の展色剤(バインダー)としても使われています。

アラビアゴムはアカシア属植物の樹皮の傷口から分泌されるアラビン酸を主原料とする樹脂を乾燥させたもので、これを同量か1.5倍の水または温水で溶かしアラビアゴム溶液を作ります。固形のアラビアゴムを使用する時には、布で漉してゴミを取り除いておく必要があります。濃度は使用目的により多少差はありますが、比重値では12~14ボーメにすると良いでしょう。また、石版画で使用する際にはアルミ版で使用するときよりもやや濃く作っておく必要があります。
水で溶かしたアラビアゴム溶液は版面に塗布すると脂肪分を感じなくさせる働きを持っており、マージン(マルジュ)部分のマスキングや、描画部分の白く抜きたい部分に塗布したり、版を保存する場合にも使用します。
また、アラビアゴム溶液にリン酸、氷酢酸を加えることにより、アルミ版用の製版液を作ることができます。石版画で使用する場合には硝酸を2%程加え硝酸ゴム液を作り製版に使用します。
固形、粉末状のアラビアゴムは版画用品を取り扱っている画材店等で購入することができます。

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参考文献
・「版画」武蔵野美術大学版画研究室/編 武蔵野美術大学出版局 2002年

参考ウェブサイト
「2002-2006年 造形ファイル」 武蔵野美術大学

監修
永井研治 通信教育課程油絵学科教授

作成日・改訂
2007年07月17日作成